2022.03.25

【徹底解明<ECにはびこるサイバー犯罪>】第2回 ECのクレカ不正利用、被害額年間数十億円か


チャージバックが受けられないケースも


ECサイトでのカード情報の漏洩の被害にあったというAさん(30代・女性)に、当時の状況を聞いた。Aさんはあるとき、自分のクレジットカードの利用明細に、身に覚えのない利用履歴があることに気付いたのだという。Aさんは、複数のECサイトにカード情報を登録していたことを思い出した。カード会社に、状況を伝えたところ、自分がカード情報を登録していたECサイトの一つで、1年前からカード情報が流出していたことが判明したという。Aさんは、すぐにカードの利用を停止。身に覚えのないカードの利用金額については後日、カード会社から返金(チャージバック)を受けることができたという。

Aさんの場合は、カード会社が情報流出について把握していたため、カード会社が被害を救済してくれた。ただ、被害が確認されないうちは、救済されないケースもあるという。

JC3によると、身に覚えのないカードの利用履歴があった場合、まずはカード会社に連絡する必要があるとしている。その上で、警察に連絡し、被害届の受付番号を聞いたうえで、もう一度カード会社に連絡し、被害届の受付番号を伝えた方がいいという。受付番号を伝えていると、情報流出が発覚した場合に、カード会社が素早く対応してくれる可能性があるとしている。

(一社)日本クレジット協会は、「消費者は、カードを不正利用されたとしても、チャージバックが受けられる可能性があるが、事業者は、売り上げが取り消される可能性がある」(広報)としている。

サイトが改ざんされてカード情報が流出すれば、EC事業者には、チャージバックで売り上げが取り消されるだけでなく、被害内容の特定(フォレンジック調査)に数百万円がかかる可能性があるという。クレジットカード情報の流出を防ぐため、ECサイトの運営者は、ECサイトの保守点検を定期的に実施する必要があるということだ。









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