2022.03.22

Adobe、企業のメタバース分野での成功を支援する製品統合機能を発表

Adobeはこのほど、「Adobe Summit 2022」において、企業のメタバース分野での成功を支援する一連のイノベーションや製品統合機能を発表し、没入型体験、新しい3DとARツールのプレビューを公開した。代理店や企業における没入型3Dデザインという新しい需要に適応し、マーケティング制作やプロダクトデザインの効率化の支援する。

Adobeは、3月16日に開催したデジタルエクスペリエンスカンファレンス「Adobe Summit 2022」において、現在提供している没入型の3D体験、Eコマースプラットフォーム、デジタル体験を構築する機能を基に、リアルで魅力的なバーチャル顧客体験を設計、作成し、何百万人ものユーザーに提供するイノベーションを発表した。クリエイティブに必要なアプリとサービスがそろう「Adobe Creative Cloud」と、優れた顧客体験によりビジネスを成功に導く包括的なクラウド基盤「Adobe Experience Cloud」の新しい統合により、Adobeの3Dコンテンツ作成ツールと顧客体験のパーソナライゼーションソリューションが幅広い業種の企業に提供されるようになるとしている。

また、マーケティングプロダクションやプロダクトデザインを効率化し、代理店や企業が3Dや没入型環境におけるデザインの新しい要求に適応できるよう支援するメタバースのプレイブックを発表し、近日リリース予定の「Substance 3D Modeler」 や拡張現実(AR)ショッピングツールのプレビューを公開した。プレイブックでは、企業のメタバース対応を加速化する、パートナー提携を通じた中核的エコシステムの確立なども提案している。Adobeは2022年中に「Substance 3D Collection」の3D機能を拡張し、新しい「Substance 3D Modeler」を追加することで、3Dビジュアルとエクスペリエンス制作を支える唯一のエンドツーエンドソリューションとして刷新する。「Adobe Summit」の「Sneaks」では、開発中の最先端の没入型ツールを公開し、その一環としてメタバースやその他の仮想デジタル体験とEコマース体験を接続してビジネスを支援するツールも紹介した。

さらにメタバース対応の主な要素を含む数々のテクノロジーの進化とデジタル体験の提供に関して、The Coca-Cola Company、Epic Games、NASCAR、NVIDIA を含むトップ企業とのコラボレーションを発表した。

Adobe Creative Cloud担当CPO(最高製品責任者)兼エグゼクティブバイスプレジデントのスコット ベルスキー(Scott Belsky)氏は、「メタバースをはじめとする没入型体験は、機能が豊富で、パーソナライズされ、魅力的で、インタラクティブなコンテンツがなければ成功しません。メタバースを先導するために、企業は今すぐ3Dや没入型コンテンツの作成を始めるべきです。将来への準備というだけでなく、現時点でも製品設計や、マーケティングおよびEコマースアセットの制作をよりよく、より早く、より安価に行えるというメリットがあるからです」と述べた。

メタバースは、仮想世界を通じて人々の交流を可能にする没入体験で構成されており、そこでは仕事、ゲーム、Eコマースだけでなく、ロボティクス、自動運転車の訓練、気候変動の研究などが共有され、新たなイノベーションの波を後押しすると予想されている。Adobeは、クリエイティブ3Dおよび没入型コンテンツ制作ツールと「Adobe Experience Cloud」の統合を進めている。最初に統合を予定しているのは「Adobe Commerce」「Adobe Experience Manager」「Adobe Analytics」「Adobe Target」となる。また、Creative Cloudアプリケーションのポートフォリオ全体にわたり、コンテンツ制作やエフェクトの適用などにおいて3D機能の統合を強化するとしている。

デジタルエクスペリエンス事業部門担当プレジデントのアニール チャクラヴァーシー(Anil Chakravarthy)氏は、「webの進化に伴い、Eコマース、マルチユーザー機能、バーチャル世界上でカスタマイズされた自分のアイデンティティや所持品を所有・移転する機能など、データ主導の没入型体験に対する需要がこれまで以上に高まります。Adobe Experience Cloudは、このようなパーソナライズされた没入型体験を構築する企業の取り組みにとって不可欠なものとなるでしょう」と述べている。


【顧客企業からのコメント】

The Coca-Cola Company デザイン部門グローバルバイスプレジデント ラファ アブレウ(Rapha Abreu)氏

「当社では、クリエイティビティとデザインの技術を、現実世界とデジタル世界の両方で守ることに注力しています。アドビは私たちの物理製品にデジタルイノベーションをもたらしています。没入型のデザイン体験によって、急速に拡大する仮想世界にCoca-Colaの魔法を広げるため、協力できることを楽しみにしています」


Epic Gamesアンリアル エンジン エコシステム担当バイスプレジデント マーク プティ(Marc Petit)氏

「ゲーム開発者であれ、建築家であれ、自動車設計者であれ、今日の消費者は本当の意味で没入型のインタラクティブな体験を求めています。当社はアドビと共同で、クリエイターがリアルタイムの3D体験を構築し、フォトリアリスティックな没入感の限界を超える新しいツールを開発しています」


NASCAR デジタルメディア担当マネージングディレクター ワイアット ヒックス(Wyatt Hicks)氏

「当社では、観客がサーキットにいようと、自宅で観戦していようと、仮想世界で交流していようと、卓越した体験を提供することに注力しています。あらゆるプラットフォームで没入型のファン体験を提供し続けるため、アドビとの提携に積極的に取り組んでいます」


NVIDIA Omniverse開発プラットフォーム担当バイスプレジデント リチャード ケリス (Richard Kerris)氏

「当社は最先端の技術を駆使して、企業、開発者、アーティストが仮想世界で創造し、連携できるような基盤技術を構築しています。アドビとの協力を通じて、Universal Scene Descriptionのようなオープンで一般的な3Dの標準プログラムを普及させることで、設計部門やエンジニアリング部門は仮想世界に3Dアセットを持ち込むことができるようになります」




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