2022.03.29

【「コロンビア」OMO戦略を聞く】スタッフ投稿経由のEC転換率は3倍 店舗のデジタル化から本格的OMOへ

コロンビアスポーツウェアジャパン イーコマース部 石田顕教氏


店舗の競争意識が投稿の量・質を向上


――社内の理解はスムーズに得られましたか?

始める前は店舗スタッフが直接、SNSに投稿するリスクを懸念する声も社内にありました。フォロワー0からのスタートなので、実店舗への集客効果をすぐに期待できない点もネックになっていました。

「visumo」を導入することで、スタッフコンテンツをECサイトや店舗ページに表示することができます。インスタからの集客はすぐに期待できなくても、ECサイトのコンテンツ拡充はすぐに実現できます。ECサイトや店舗ページに掲載したスタッフコンテンツから、ユーザーがインスタに流入することも期待できます。ECのコンバージョンレートを改善でき、EC経由で店舗の認知や集客拡大につなげられるという二重の効果を期待できることから、店舗スタッフのコンテンツ施策を推進できました。

投稿のリスクを解消するために、マニュアルの作成などの準備も進めました。最初は合同のアカウントを作り、スタッフコンテンツを発信するインスタの運用も検討しましたが、店舗運営する部署と連携しながら、店舗アカウントを準備しました。

――店舗スタッフは最初から積極的に参加してくれましたか?

2019年7月に旗艦店である原宿店のインスタアカウントを開設しました。当初は店舗スタッフが忙しいこともあり、なかなか投稿が進みませんでした。こちらからも投稿を促しつつ、少しずつ協力してもらいました。

店舗アカウントを運用して、問題がないと分かり、路面店を中心に店舗アカウントを増やしていきました。2019年9月にオープンした京都店では、オープン前のディザー期のプロモーションも兼ねて、店舗アカウントを開設。2020年2月に残りの路面店でも店舗アカウントを開設しました。


▲「コロンビア京都店」はオープンにあわせてインスタグラムを開設

複数店がアカウントを持ち、投稿するようになると、店舗スタッフに競争意識が生まれ、投稿の頻度やレベルがどんどん上がっていきました。他店の投稿を参考にしたり、他店がたくさん投稿していると負けじと投稿が増えたり、相乗効果が生まれていったのです。


▲各店の特徴を生かした画像を投稿。写真は京都店のインスタグラムから

アングルや背景など撮影時の細かなマニュアルを作成していましたが、次第にスタッフが自分たちで工夫をし始めました。店舗ごとのシチュエーションを生かした画像を撮影したり、商品の魅力を引き出す見せ方を試したり、こちらがアドバイスしなくても自走していってくれました。


▲スタッフが工夫し、コーデ画像を撮影。写真はコロンビアららぽーと立川立飛店の投稿

2020年春ごろからコロナが拡大したことを受けて、店舗アカウントを全国に展開していくことになりました。2020年6〜8月にかけて全店舗に展開し、現在は50店舗以上の店舗アカウントを展開しています。

――「visumo」導入前に他のツールとの比較検討はしましたか?

導入検討時に他のツールとも比較検討しました。「visumo」を選んだ要因の1つはコストパフォーマンスの良さです。複数の店舗で運用しても、複数のブランドで導入しても費用が追加されることがありません。当社では3ブランドで「visumo」を活用していますが、1つの管理画面で運用できる点も効率的で助かっています。

インスタを軸としたスタッフコンテンツの促進・活用を検討していたので、その点も「visumo」と合っていました。アカウントもスタッフ単位ではなく、店舗単位で運用できる点も当社の方針と合致しました。

「visumo」では「visumo snap」というスタッフコンテンツをECサイトに直接配信できる機能もあると聞いています。インスタを経由しない投稿方法を用意している点も柔軟性が高いと思います。

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