2022.03.09

ショッピージャパン、越境ECのハードルを調査 課題は「言語」「税金」「サポート」など

東南アジア・台湾で最大規模のECプラットフォーム「Shopee」の日本法人であるショッピージャパンはこのほど、自社のECサイトを持ち、越境ECに興味がある経営者・役員に対して実施した、越境ECのハードルに関する調査の結果を公開した。9割を超える人が越境ECの重要性の高まりを感じている一方で、言語・税金や法律・サポート対応に越境EC開始のハードルを感じる人も多いことがわかった。

【<グラフ6点>越境ECのハードルに関する調査結果はこちら】

「『越境ECのハードル』に関する実態調査」は、2022年2月6日から2月18日に実施したもので、自社のECサイトを持ち、越境ECに興味がある製造業・卸売り・小売業の経営者・役員に111名から回答を得た。

コロナ禍以降、越境ECの重要性が高まっていると思うかを尋ねた問いでは、「かなりそう思う」(62.2%)と「ややそう思う」(31.5%)を合わせると、9割を超える人が越境ECの重要性の高まりを感じていることがわかった。



また、「今後、さらに越境ECに取り組む必要性は高まると思いますか」との問いには、「かなりそう思う」が60.4%、「ややそう思う」が33.3%と、こちらも9割以上が必要性が高まると回答した。

「あなたが越境ECの開始を検討したのは『コロナ禍』をきっかけとしていますか」の問いは、「はい」と答えた人がが55%、「いいえ」が38.7%、「越境ECの開始は検討していない」が6.3%となった。続けて「越境ECの開始は検討していない」以外の回答をした人に、越境ECを検討した理由(複数回答)を尋ねたところ、「新しい市場・販路の開拓」が85.6%ともっとも多い回答を得た。次いで「直接の海外での出店をせず、コストが削減できる」が42.3%、「リピーターの定着」「日本製商品のニーズの高まり」が同率の38.5%で続いた。

選択肢以外の自由な理由・目的としては、「売り上げの安定」「対象とする市場規模を拡大するため」「海外での反応を見てみたい。新たな売上を作りたい」「需要があるから」「海外において、これまでとは異なるニーズ・ウォンツを拾うことが、国内の新たな逸品開拓に繋がる期待がある」「新型コロナウィルス感染症の拡大に伴うスタッフの働き方の見直しや新しい販路の獲得のため」など、72の回答を得た。

「越境ECの開始の際のハードルや踏み切れない課題」を尋ねた問い(複数回答)では、「言語のハードルを感じる」が58.6%ともっとも多くの回答を得た。続く「税金など新たに法律の知識が必要」(53.2%)と「サポート対応が難しい」が(50.5%)も、半数を超える回答得る結果となった。選択肢以外の自由な回答としては、「現地のスタッフ管理」「国や地域特有のトラブルやクレームへの対処とガバナンスへの対応」「通貨問題、配送問題、クレーム対応」「職員の教育が難しい」「何が多く売れるかを把握するまで、商品のストック計画が難しい」「資金不足」など65の回答があった。



「東南アジアと台湾を中心とした、出店無料かつマーケティングサポートがあるECプラットフォームがあれば、利用したいですか」の問いには、「非常にそう思う」(45.1%)と「ややそう思う」(45.9%)を合わせ、91%が興味を示す結果となった。

ショッピージャパンは今回の調査で、自社でECサイトを運用している多くの経営者にとって、コロナ禍が大きなターニングポイントになり、越境ECに積極的な姿勢を見せていることが明らかとなったとした。一方で、越境ECを開始したいという想いが強かったとしても、言語や海外の法律を始めとした現地で起こり得る問題に対して、不安が拭いきれない実態が見えてきたとし、越境ECのハードルを下げるには、それらの課題をサポートするサービスが求められているとしている。コロナ禍を乗り越え、新たな販路を見出す企業が増えることによって、物販業界に新たな兆しが見えてくるかもしれないとの見解を示した。



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