数年前から人気の韓国コスメに続き、中国や台湾、タイなどのアジアコスメが日本市場で存在感を増しつつある。韓国コスメは日本で販売されてから約10年が経過。ユーザーの増加傾向が続き、日本市場で定着している。アジアコスメの広がりは、越境ECの拡大やSNSでの情報発信が鍵となる。影響力のあるキーパーソンによる情報の拡散力を用いて、ユーザーの目に留まる仕掛けやマーケティングも始まっている。各社の施策だけでなく、各国の美容事情や日本国内の売れ筋予測などをまとめた。
【Contents】▶〈韓国〉韓国高麗人蔘社、機能性が人気に▶〈タイ〉日本機能性コスメ研究所、タイのコスメが流行を予想▶〈中国〉ライフスタイルカンパニー、日本にない商品力に手応え▶〈台湾〉ピンコイ、アイシャドーなど人気広がる▶〈台湾〉アースシップ、ドクターウーの流通拡大
〈韓国〉韓国高麗人蔘社、メーキャップは安定期へ
韓国コスメを輸入販売する韓国高麗人蔘社では、韓国コスメの今後の動向について、機能性を重視したスキンケア商品の需要が高まると予想している。
韓国コスメ人気の火付け役となったメーキャップは、安定期に移行しつつあるものの、スキンケア需要の増加が底上げにつながっているようだ。
同社が日本で流通させている韓国コスメは、韓国企業大手のコスメブランドが中心。販売が好調な「ロムアンド」に続き、「バニラコ」「グーダル」「トゥークールフォースクール」「クンダル」など10ブランド以上を日本市場へ流通させている。
首都圏を中心に、直営店舗「Re:MAKE(リメイク)」を4店舗展開。卸と小売りの両方で、韓国コスメの市場拡大を図っている。「韓国ブランドとのつながりだけでなく、日本と韓国の文化を理解した上で販促を展開している」(キム・ナユン社長)。
▲代表のキム・ナユン氏販売前には、同社のスタッフが商品を試したり、商品の成分やパッケージ、マーケティングなど、日本で根付くための要素を一つ一つ確認して対応。販促では、インスタグラムやユーチューブなどを活用しつつも、商品の質を正確にユーザーに届けることを重要視している。近年は、コロナ禍の情勢などで韓国コスメの需要も変わりつつあるとし、「最近はナチュラル系が流行している。肌に良いものを取り入れたいという点から、スキンケア商品が流行する可能性がある」(同)と言う。
▲韓国コスメブランド「rom&nd」は韓国高麗人蔘社が日本総代理店になっている今後は、店舗とSNSで得た知見を生かして、顧客体験を重視したパーソナライズ化を強化する。3月1日には東京・北千住の丸井に新店を開設。タイのコスメブランドの販売を計画している。