インターネット調査を中心に提供する伊藤忠グループのリサーチ会社マイボイスコムはこのほど、2月に実施した定額制サービス（サブスクリプション）に関するインターネット調査の結果を公開した。直近1年間に定額制サービスを利用した人は3割弱、利用意向は2割強で、いずれも若年層で比率が高かった。利用意向者が重視する点は、「月額料金」「料金に見合う内容であるか」がそれぞれ70％超の回答を得た。
このほど結果を公開した「定額制サービス（サブスクリプション）に関するインターネット調査」は、2月1日～5日に実施したもので、1万121件の回答を得た。同調査の実施は今回で3回目となる。
直近1年間の定額制サービスの利用について尋ねた問いでは、「利用した」と回答した人は28.5％だった。利用した定額制サービスのタイプ（複数回答）は、「定額料金で、条件内でサービスを使い放題」が23.4％と他のタイプを大きく引き離して最多となった。続く「定額料金で、設定条件にあった商品が定期的に届く」は2.5％、「定額料金で、設定条件にあった商品が定期的に届く」は1.9％に留まった。
直近1年間に定額制サービスを利用したと答えた人に、直近1年間で利用した「使い放題サービス」（複数回答）を尋ねた問いでは、「Netflix」「hulu」などの「定額制映像配信サービス」が67.8％、「spotify」などの「定額制音楽配信サービス」が20.6％、「定額制使い放題：電子書籍・雑誌、電子コミック」が12.6％となった。同じく直近1年間の定額制サービス利用者が、この1年で利用したと答えた「レンタル・試し放題サービス」（複数回答）は、「定額制レンタル：家電」が1.8％、「定額制レンタル：自動車、中古車」が1.4％。「定期便サービス」（複数回答）は、「定期便：サプリメント、健康食品・飲料など」が8.6％、「定期便：化粧品、コスメなど」が5.3％、「定期便：食材・食品」が3.6％だった。
定額制サービスに不満を感じる点（複数回答）は、「価格が高い」がサービス利用経験者の16.1％、「定額料金に見合う分を使い切れない」が15.7％、「商品・サービスを使う月と使わない月があり、無駄になることがある」が14.3％だった。10・20代では、「定額料金に見合う分を使い切れない」「価格が高い」、女性30代では「商品・サービス内容が期待していたものと違う」と答えた人の割合がやや高い結果となった。
「今後、定額制サービスを利用したいと思いますか？」の問いでは、「利用したいと思う」（8.3％）、「まあ利用したいと思う」（15.4％）となり、定額制サービスの利用意向は2割強だった。10・20代では5割弱、30～50代では3割前後、60～70代は各10%台と年代差が大きい結果となった。直近1年間にサービスを利用した人では7割弱、非利用者では約6％だった。
定額制サービス利用意向者に、定額制サービスを利用する際に重視する点（複数回答）を尋ねた問いでは、「月額料金」が76.8％、「料金に見合う内容である」が74.8％と多くの回答を得た。続いて「商品やサービスの品ぞろえ」「商品やサービスの品質」がそれぞれ4割弱、「解約のしやすさ、解約手順のわかりやすさ」「飽きずに利用できる」がそれぞれ20％台となった。なお、直近1年間に定額制サービスを利用していない人が重視する点は、「無料お試し・体験の充実度」「解約のしやすさ、解約手順のわかりやすさ」が高い結果となった。
定額制サービスを利用したいと思う具体的な理由には、「主に飲料系に利用しているので重い物を運ばないで届けて貰えるので今後も利用したい（男性76歳）」「都度費用を考えずに利用できるところが良いと思う。まだ利用したことはないが、求める内容のものがあれば利用してみたい（女性50歳）」「以前、野菜やコーヒー、食品の定期購入をしていた。今はしていないが、野菜に限らず魅力的な商品があれば利用したいです（女性49歳）」「映画などは元が取りやすく普段見ないジャンルにも気軽に挑戦できるので良いと思うから（女性22歳）」などの意見があった。一方、利用したくないと思う具体的な理由には、「以前利用したことがあるが、結局そう使わなかったり、『支払ってるから使わねば！』と脅迫観念めいた気分になるので精神衛生上よろしくないと思い止めました（女性48歳）」「入会したては元を取ろうと沢山利用するが、数か月たつとそこまで利用しなくなるから（女性31歳）」「解約の手続きが面倒、一度入るとセールス勧誘等がしつこい（男性51歳）」「結局使わなくなって無駄になるか、必要ないのにサービスを受け続けるかになってしまうから（男性43歳）」などの声が見られた。
同調査の詳しい結果は、マイボイスコムのホームページで公開している。
