2022.02.28

【自然派化粧品を開発するには〈インタビュー〉】実正 角谷昭博営業部長「自然派化粧品開発へ『超臨界抽出』を提案」

角谷昭博営業部長


化粧品OEMの実正は、自然派化粧品の開発に強みを持っており、自然派化粧品のレディーメード処方を多数ラインアップしている=別表。同社は「おひさまでつくった化粧品」をキャッチフレーズにOEM事業を展開している。工場の使用電力の再生可能エネルギー化を進めており、このほど再生エネルギー率100%を達成したという。近年は、超臨界抽出技術を活用した製品群の提案も強化している。同技術は、天然素材を活用した高付加価値自然派化粧品の開発に役立つという。同社のこうした取り組みは、SDGsの観点からも注目されている。

ーー最近の受注の傾向について教えてほしい。

最近は、「SDGsのコンセプトに合った化粧品を開発したい」というお客さまからの問い合わせが増えている。当社では、2012年に太陽光発電システムを導入して以来、「おひさまでつくった化粧品」のキャッチフレーズの下、使用電力の再生可能エネルギー化を推進してきた。2021年10月1日からは、購入電力を100%再生可能エネルギー化した。自前の太陽光発電で賄えない部分の電力については、太陽光・風力・バイオマス・地熱などによって作られた電力を用いることにした。

当社では2020年実績で、約17万キロワット時の電力を使用していたが、これを再生エネルギー化することにより、年間85.3トンのCO2の排出を削減できることになった。SDGsの観点からもこうした取り組みが注目されている。当社としては今後も、「肌にも地球にも優しい化粧品づくりを推進していきたい」と考えている。

ーー御社ではもともと自然派化粧品の開発に強みを持つと聞くが。

自然派化粧品のレディーメード処方の開発には、力を注いできた。特に得意としているのが、「パラベンフリー」「エタノールフリー」など多くのフリーをうたえるスキンケア化粧品の開発だ。多数のレディーメード処方を開発しており、迅速なOEM供給を行うことができる。

例えば、防腐剤・エタノール・合成色素フリーの薬用除毛クリームも開発している。産毛なら5分程度でしっかりと除毛できるという確かな効能を持っている。クリームタイプで、液だれせず、刺激臭の問題をクリアしている点も好評だ。

美白効果がうたえる「薬用ホワイトミルクTR」はパラベン、エタノール、石油系界面活性剤、鉱物油、合成香料、合成色素の計六つのフリーをうたうことが可能。「同クリームTR」はパラベン、エタノール、合成香料、合成色素の四つのフリーがうたえる。「同ローションTR」は、パラベン、エタノール、石油系界面活性剤、合成香料、合成色素の五つのフリーを実現している。

防腐剤を始め六つのフリーを訴求できる「セラミド液晶ジェルクリーム」の開発にも成功している。ラメラ液晶構造であるため、肌なじみが良くバリア機能を発揮することが期待できる。

多くのフリーを実現しながら、「乾燥による小じわを目立たなくする」旨の表記が可能な自然派化粧品の処方の開発にも複数成功している。


▲実正の自然派化粧品のレディーメード処方の代表例

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