2022.02.18

楽天、日本郵便、ホンダら8社、「ロボットデリバリー協会」発足 安全基準や認証制度を策定

発足式に発起人となった8社が登壇

楽天グループ(楽天)や日本郵便、本田技研工業(ホンダ)、パナソニック、川崎重工業、ZMP、TIS、ティアフォーの8社は2月18日、自動配送ロボットを活用した配送サービス(ロボットデリバリーサービス)の普及による人々の生活の利便性向上を目的とした、一般社団法人ロボットデリバリー協会を発足した。同日開催の発足式では、行政機関や団体と連携し、自動配送ロボットが公道を走行するための業界における自主的な安全基準やガイドラインの制定、認証の仕組みづくりに取り組むことを発表した。今後、参加企業を増やし、ロボットデリバリーサービスの普及に向けて活動を活発化させていく考えだ。

発足式の冒頭、楽天 常務執行役員 安藤公二氏は、「ロボットデリバリーの普及により、人々の生活の利便性を向上させようという志を共有する8社が集い、本日、ロボットデリバリー協会を発足させる。ECが生活基盤として定着し、生活不可欠な社会インフラとなっていることはご存じかと思う。近年はフードデリバリーやネットスーパー、日用品などのクイックコマースサービスの利用も拡大している。これらの利便性の高いサービスが普及する一方で、配送の担い手不足が深刻化している。こうした課題に対応し、生活の利便性を向上させる新たな手段として、自動配送ロボットを活用したロボットデリバリーに期待が集まっている。実証実験などを通じて得た知見を持ち寄り、行政機関や団体と連携することで、自主的な安全基準の制定や認証の仕組みづくりに取り組み、利便性と安全性を備えたロボットデリバリーサービスの実現と、その早期の社会実装を目指す」と説明した。


▲楽天 常務執行役員 安藤公二氏

同協会は1月20日に設立し、2月18日を発足日としている。活動の柱は、①ロボットデリバリーサービスの安全基準の制定と改訂 ②ロボットデリバリーサービスの安全基準に基づく認証等の仕組みづくり ③ロボットデリバリーサービスに関係する行政機関や団体などとの連携 ④ロボットデリバリーサービスに関する情報の収集と発信――の4つだという。


▲発起人となった8社の参加者と配送ロボット

経済産業省 商務・サービスグループ 商務・サービス審議官 畠山陽二郎氏は、「ラストワンマイル配送におけるドライバー不足の解消、遠隔地における配送手段の維持などのため、自動配送ロボットによる新たな配送サービスの実現には大きな期待を持っている。2019年度に官民協議会を立ち上げ、現在では各地で公道実証実験が実施されるなど、自動配送ロボットの社会実装の芽が出てきている。こうした中、民間企業の皆さまが一丸となり、業界団体設立となったことを誠に心強く感じている」とコメントした。

警察庁 交通局 交通企画課 課長 今村剛氏は、「自動配送ロボットは2020年に公道における実証実験が開始されて以降、協会加盟の皆さまが日本全国でさまざまな実証実験を行ってきた結果、一定の安全性が確認されてきたものと認識している。警察庁においては低速・小型の自動配送ロボットを新たに道路交通法の体系の中に位置付けるともに、使用者に対して通行場所などを事前に届け出てもらうことを内容とする道路交通法の一部改正案を今国会に提出すべく、準備を進めている。検討中の案では機体の安全性に関しては、同協会が策定される自主基準に認証制度に依拠することにしており、当庁としてもどのような基準・認証制度になるのか、大変注目している」とコメントした。

国土交通省 自動車局 自動運転戦略室長 多田善隆氏は、「国土交通省では2020年に、自動配送ロボットが公道で走行が可能になる制度を構築した。その後、同協会に加盟の事業者を始めとする事業者の方々の高い技術力と努力の結果、多くの実証実現が実現した。これからますます発展することが期待される自動配送ロボットの分野において、このような協会が設立されたことは、ロボットのより一層の安全性・利便性の向上に寄与すると考えている」とコメントした。

楽天の安藤氏は、「今年1年をロボットデリバリー普及に向け飛躍の年にしたいという思いから、2022年を『ロボットデリバリー元年』とすることをここに宣言する」と話す。同協会の活動を通して、ロボットデリバーサービスの基盤を作るともに、消費者の理解を深め、サービスの実用化を大きく推し進める1年にしたいと考えている。






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