2022.02.11

「andew」、医大生が作った栄養チョコを販売 難病患者との出会いが商品開発のきっかけ

SpinLife 中村恒星社長

チョコレートの製造販売を行うSpinLifeは、2020年5月から運営するECサイト「andew(アンジュ)」で、さまざまな栄養素がバランス良くとれるチョコレートを販売している。

同社が販売する商品は、病気などが原因でこれまでチョコレートを口にできなかった人も食べられるのが特徴。「誰でも食べられるようにするという願いを込めて作った」(中村恒星社長)と言う商品は、タンパク質や11種のミネラル、12種のビタミンなどを配合してバランスよく仕上げた。

中村社長は現役の医大生。実習中に、皮膚がこぼれ落ちると、体液とともに栄養が外に出ていってしまう先天性の病気である「表皮水疱症」を持つ患者との出会いがきっかけで、商品開発を開始した。開発当初は、自宅のキッチンを使って1人で作業に没頭。さまざまな食品を試して開発を続けてきた結果、最終的にチョコレートにたどり着いたという。

札幌のチョコレート専門店「SATURDAYS(サタデイズ)」を運営するサタデイズの秋元力社長の協力を得て、商品が完成。商品開発には約9カ月の期間を要した。

サイトで一番売れている商品は、自社専属のパティシエが、手作業で一本一本焼き上げている「ガトーショコラ(税込4500円)」。贈り物需要も捉えて、ギフトボックスでも提供している。ボックスは、木ではなく紙を使って環境にも配慮した。「自分用や、プレゼントとしても、さまざまな人に食べてもらいたい。当社のチョコレートをきっかけに、病気の存在を多くの人にも知ってもらいたい」(同)と話している。

現在は、乳や卵を使用せず、アレルギーやヴィーガンなどに対応した商品開発を検討しているという。病気やアレルギー、食に対する考え方がある中で、それぞれに対応できる食品を作りたい考えだ。さまざまな食品の中からチョコレートに行きついたのは、「世界中から広くお菓子として認知され、子どもも大人も一緒に楽しめるものを開発したいという思いから」(同)と話す。

現在、アスリートやモデル、健康意識の高い人などから支持されるようになっている。ECサイトの存在は口コミやSNSを通して拡大している最中で、贈り物としてもらったユーザーが、リピーターになるケースも増えているという。今後は「海外の人にも認知を広げる。医者になっても、この事業は継続していく予定だ」(同)と話す。


「andew」
https://andew.co.jp/







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