2022.01.27

【現地取材】「楽天SOY2021」グランプリは『上新電機』 金谷社長に直撃「他社との違いや成長戦略は?」

総合グランプリを受賞した上新電機の金谷隆平社長(左)と高橋徹也専務(右)

楽天グループ(楽天)は1月26日、ECモール「楽天市場」の年間ベストショップを表彰する「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)2021」の表彰式を開催した。最高賞である総合グランプリには、上新電機が運営する「Joshin web 家電とPCの大型専門店」が輝いた。

ハイブリッド形式で開催された今回の「楽天SOY2021」は、リアルとオンラインの表彰が入り混じる、新しい形の表彰式となった。リアル会場では円卓に座る人数を制限するなど、感染症対策を徹底していたが、2年ぶりのリアル開催ということもあり、例年にも増して参加者の熱気を感じるイベントになった。


▲オンラインとオフラインのハイブリッド開催


グランプリの上新電機は18年間で売上4600倍


上新電機の金谷隆平社長は、「2003年に『楽天市場』に出店し、18年が経つ。初年度と昨年の売り上げを比較すると4600倍という規模になった。『楽天市場』は流通総額を5兆円から10兆円に拡大する計画がある。当社もいち早く売り上げを2倍にして、少しでも貢献したい」と受賞コメントを述べた。


▲総合グランプリ発表直後の上新電機の金谷隆平社長(写真中央)

上新電機の総合グランプリ受賞は2年連続3回目。SOYの常連で何度も総合賞に名を連ねている。近年は大手家電量販店のECモール進出も顕著だが、ECモールにおける上新電機の強さは健在だ。

金谷社長に大手家電量販店との違いを尋ねると、「リアル店舗とECは別モノと思っている企業が多いのではないか。ECは“安売りするところ”と思っている企業もあるだろう。当社では全社が一丸となり、リアルもウェブも境目なく取り組んでいる。リアル店舗もECを安売りの場とは思っていないし、ECから送客することでリアル店舗は恩恵を受けている」といち早くOMO(ネットとリアルの融合)に取り組んできたことを教えてくれた。

高橋徹也専務は受賞要因について、「品ぞろえ、出荷スピード、サポート体制を強化している、特に電話サポートに注力しており、ウェブサイトでも電話番号を分かりやすく表示し、すぐに対応している。そうした姿勢がご評価いただけたのではないかと思う」と話す。ECでもリアルの接客のような迅速さ、丁寧さで対応することで、顧客から高い評価を得ているようだ。

上新電機は2021年5月、新物流センターを竣工した。約3万5000坪の大型物流センターは2022年4月頃に本格稼働する予定だ。上新電機はEC売上高を2倍にする計画を立てており、そのための物流基盤を整備した。モールでの販売力のさらなる拡大、リアル店舗との相互総画の加速などにより、計画の実現性を高めていく方針だという。

総合賞(トップ10)は以下の通り。

総合グランプリ:「Joshin web 家電とPCの大型専門店」(上新電機)
総合2位:「XPRICE楽天市場店」(エクスプライス)
総合3位 :「アルペン楽天市場店」(アルペン)
総合4位: 「タマチャンショップ」(九南サービス)
総合5位:「越前かに職人甲羅組」(伝食)
総合6位:「サプリ専門SHOP シードコムス」(エフ琉球)
総合7位:「くらしのeショップ」(山善)
総合8位:「タンスのゲン Design the Future」(タンスのゲン)
総合9位:「サンドラッグe-shop」(サンドラッグ)
総合10位:「澤井珈琲 Beans & Leaf」(澤井珈琲)

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