和菓子を販売する都松庵は、若者をターゲットにした菓子「AN DE COOKIE(アンデクッキー)」の販売個数が1年間で2万個を超えた。クッキーのような舌触りと、洋菓子風の商品デザインが好評。出産の内祝いなどのギフトとして人気商品になっている。
「アンデクッキー」は、生あんを米粉生地に練り込んで製造した焼き菓子。発売にあたり、商品とパッケージには、時間をかけて開発したという。
人気商品の「アンデクッキー」「アンデクッキー」は、若者のあんこに対する苦手意識を変えることを目指して開発した。パッケージを含め、「従来の和菓子にはない新しい商品だな」と思ってもらいたかったという。
「『アンデクッキー』をはじめ、当社の商品は主にあんこが苦手な人に向けて開発している。和菓子やあんこが苦手な若者が多いため、和菓子業界では、あまり見かけないクッキーのような舌触り・見た目の菓子を販売することにした」(中尾元常務取締役)と経緯を語る。
中尾元常務取締役パッケージにおいては、菓子業界ではあまり取り入れられていない高級紙「タント」を使用して差別化を図っている。
「当社では一般的に使用されるパッケージの紙よりも高級感を求めて、優しい手触りで色鮮やかなタント紙を使用している。京都=和や抹茶などの渋めのイメージを変えたかった。結果的に洋菓子寄りのパッケージになった」(同)と話す。
高級紙を用いたため、パッケージ代は通常の2倍近くかかるという。高まるコストを抑えるため、大量発注を通じて、割引価格でパッケージを仕入れている。
「パッケージを大量発注するには、ECだけでの販売だけでは厳しかった。そのため、2017年からは、京都の伊勢丹や、京都駅の売店、東海キヨスクなどへの卸しを開始した。修学旅行生や出張のサラリーマンの間で、認知度が徐々に広まったと感じる」(同)と話す。
色彩が豊かなパッケージと若者に向けて販売した商品コンセプトが奏功し、2018年にはぐるなびの「接待の土産」企画で入選した。出産の内祝いや、展示会の土産品としても選ばれている。
今後も、まだ見ぬ全国の新規顧客に向けて、自社商品の普及に努めていく方針だ。
「都松庵オンラインストア」https://www.toshoan.com/