2022.01.18

【ECモールに聞く2022年の展望】ヤフー 畑中基執行役員「LINEとの連携強化を加速」

ヤフー 執行役員 ショッピング統括本部長 畑中基氏


Zホールディングス(ZHD)とLINE(ライン)との経営統合が2021年3月に完了した。新体制のもとヤフーが運営する「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」の両モールにおいても、LINEのサービス基盤を活用した機能強化が活発に進んでいる。ヤフーの畑中基執行役員・ショッピング統括本部長に、2021年の取り組みと2022年の注力点について、物流の強化やLINEとのシナジー創出を中心に聞いた。


物流強化に手応え


――2021年の両ECモールでの取り組みは?

まずはヤマト運輸とタッグを組み、物流面の改善を進めていけたことが大きい。昨年の春から進めている「フルフィルメントサービス」の提供はストア・ユーザー双方から好評を得ており、価格や品質の面でも競合に対して優位性を発揮している。

さらなる成長を見据えてECのベースメントを固めていく中、物流の面で確固たる武器を手に入れられたことは大きな収穫だった。物流への課題感が高まる中、ニーズに応えられるサービスを打ち出せていることが利用の拡大にもつながっている。

一定基準をクリアしたストアに付与する「優良配送」の認定もユーザーの購買を後押しする要因となっている。「良い配送が顧客満足度の向上や売り上げの拡大につながる」といった意識が着実に浸透しており、モール内の各ストアにおいても物流の品質向上への意識が高まっている。

「優良配送」の比率は、究極的には100%の浸透を目指している。今年も引き続き注力する分野だ。

マーケティングの面では、「超PayPay祭」など、グループ内のサービスと連携した大型販促企画が引き続き成果を収めている。

足元での取扱高やユーザー数の拡大についても手応えは得ている。だが、まだまだ成長の余地が大きくあるというのが見立てだ。今後も効果的な販促イベントを実施し、取扱高の最大化につなげていく。

――コロナ禍以降のユーザー層の変化はあるのか?

一昨年の大きな成長をけん引した巣ごもり需要については、ある程度落ち着きつつある現状だ。だが、コロナ禍以降新たにECを利用した層の定着も進み、ここ数年でユーザー規模の底上げも行われた印象だ。

インターネットでの買い物が当たり前になっていく中、より広い層に受け入れられるサービスとなるよう、サイト自体の改善も日々進めている。探しやすさや買いやすさの追求といった部分は、レコメンド機能の強化や検索の改善などテクノロジーの面で、まだまだ磨き込みの余地があると考えている。

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