2022.01.18

【「ワークマン」にアンバサダーとUGC活用術を聞く】ファンの輪広げ、コロナ禍にCM止めても成長継続

ワークマン 営業企画部 マーケティング戦略グループ マネージャー 丸田純平氏(左)、EC事業部 部長代理 加藤健氏(右)


作業服・安全靴を販売するワークマンは近年、機能性が高いアイテムを取り扱うブランドとして、アウトドアやレジャーが好きな消費者から熱い支持を集めている。新たな領域で顧客を獲得できている背景には、熱狂的なファンの発信力を借り、自社の魅力を広めていくアンバサダー制度やUGC(ユーザー生成コンテンツ)の効果的な活用があった。消費者を巻き込み、ファンの輪を広げていく施策の効果は大きく、コロナ禍にテレビCMの放送を止めても、実店舗とECの両面で売り上げを伸ばしているという。EC事業部の加藤健部長代理と、営業企画部マーケティング戦略グループ丸田純平マネージャーに、アンバサダー制度やUGC活用のポイントや成果について聞いた。


――アンバサダー制度を開始する経緯は?

丸田:SNSでの投稿からこれまでと異なる売れ方をするアイテムがあることに気付いたことがきっかけです。例えば「イージス防水防寒スーツ」という東北地方などの雪寒地区の方が畑仕事の際に防寒のために着るアイテムがあります。このアイテムの差し色と言われる普段あまり売れないカラーが東京で急に売れるようになりました。誰が買っているのだろうと、SNSやYouTubeなどをエゴサーチしていると、冬にバイクに乗るときに着用していると投稿している方がいたのです。

私が入社した当時は、SNSでワークマンに関する投稿を見かけることはほとんどありませんでした。それがSNS上で機能性に着目してもらい、新たな利用シーンまで発信してくれる方を目にするようになり、その効果を実感しました。

今ではテレビCMを止め、アンバサダー制度やUGC活用、メディアやユーザーを巻き込むイベント企画にマーケティング戦略をシフトしています。


ワークマン 営業企画部 マーケティング戦略グルー プマネージャー 丸田純平氏

――アンバサダープログラムはどのようなことを行うのですか?

丸田:ワークマンの愛用者でSNSなどの発信をしていただいている方に、お声がけし、無償でご協力してもらっています。新商品の発信をお願いしたり、共同で商品開発に協力していただいたりしています。無償で協力してただくので、本当にワークマンを好きな方にお声がけしています。

――どんな方にお声がけしているのですか?

丸田:過去のSNSやYouTubeの投稿などを見て、ワークマンを愛用してくださっている方にお声がけしています。当社が注力しているキャンプやバイクなどシーンに応じて、そのジャンルの発信をしている専門の方にお願いすることもあります。普段からワークマンを愛用している方に協力を仰ぐことで、発信された情報にも説得力があります。そういった面が有償のインフルエンサーマーケティングとの違いです。

――アンバサダーと商品開発を行うこともあるようですね。

丸田:アンバサダーさんから「こういう風に改良した方がいい」「こういうアイテムが欲しい」といった提案を受けて商品開発に反映しています。例えば「イージス防水防寒スーツ」でポケットのファスナーを開ける際に引手が小さいと、グローブをしたまま開けにくいと聞き、引手を大きくしました。

ここ半年間で50~100アイテムぐらいを共同開発しております。2022年の春夏シーズンには、共同開発したアイテムを120~130アイテムくらい販売する予定です。

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