幅広く情報収集、ヒット練りだす
――ヒット商品を数多く生み出している印象だが、何をヒントにしているのか?
基本的には、経済や市場の動向を読み、何か面白いものがあれば、社員と打ち合わせする。PR業務などは社員に任せている。今は、コロナ禍の情勢を考慮して、情報収集をネットニューズから得ている。ネットからの情報を日々見て、面白い事案があれば考案している。
最近だと、2019年頃に販売を開始した「サバチ」が大ヒットした。これは海外で情報を収集して作られた商品。日々収集した情報を、当社の事業と照らし合わせ、電波を張り巡らせることを怠らずやっている。
当社の主力商品であるミックスナッツやドライフルーツもコロナ禍の需要と相まって、売り上げが増加した。巣ごもりという全体的な需要に対して、市場動向、見せ方やパッケージ、PR手法などを考慮して的確にリーチできる努力もしている。こうした自助努力がリピート率向上にもつながり、一度は「浮気」した顧客も、再び当社に戻ってくるありがたい傾向が生まれている。
――原材料の高騰など、不安な要素が多い中で、今後はどんな施策をとるのか?
今年の売り上げに関しては、減収でもいいと思っている。数字として5~7%減は想定内だ。売り上げを拡大する仕組みはここ数年でイメージできるようになった。目先の数字よりも、利益をしっかりと残さないといけないため、今期は数字よりも、ここ数年で一気に拡大した社内や製造の整備を改めて行う予定だ。社員や製造スタッフも本当に大変な一年だったと感じるのでなおさらだ。
当社は、卸販売を行っていることもあり、大手の小売り各社からトレンド情報を得られる強みもある。こうしたありがたい状況を加味ながら、卸とECの双方から動向を注視しつつ、今期は適材適所で対応していく。