2022.01.09

アパレルブランド「10YC」、自社商品の2次流通サービスを開始 クリーニングや染め替えなどして加工販売

アパレルブランド「10YC」を運営する10YCは1月8日、自社商品の2次流通サービス「ARATAME(アラタメ)」を開始した。自社で下取りをした商品にクリーニングや加工を施し、あらためて販売するサービスにより、自分たちが作った洋服が「クタクタになるまで着られていく」環境づくりを目指す。

【<画像5点>加工して2次流通するアイテム例はこちら】

このほど開始した2次流通サービス「ARATAME」では、同社が提供する自社商品下取りサービス「THANKYOU BACK」で回収した商品にクリーニング、染め替え、リペアなどの加工を施し、「10YC」Webサイトにてあらためて販売する。

「THANKYOU BACK」されたアイテムは、状態によって大きく2つのパターンに分類し、それぞれに合った方法で加工、販売する。状態が良いものやそのままの状態のほうが味わい深いものなどは、クリーニングのみを行い、あらためて販売するパターンとなり、通常商品の販売価格の70%程度の価格での販売を予定している。一方、「THANKYOU BACK」された商品に汚れやヨレなどがあり、クリーニングをしても解決のできないものは、クリーニング+2次加工を行って販売するパターンに分類する。汚れがあるものは、こだわりの染色方法で染め替えて汚れを目立たなくし、ヨレがあるものに関しては、該当部位の素材を交換してヨレを解消し、あらためて販売する。こちらは2次加工にかかった費用を原価に加えた分を販売価格に上乗せをして販売する。

10YCは、創業当初から「自分たちが作った洋服だからこそ、たくさん着てほしい」「せっかく買ってもらったのだから長く着てほしい」という想いで、価格が高くとも、長く使い続けてもらえるように着心地や耐久性にこだわって商品づくりをしてきた。それらを長く着てもらうため、「IROHEN」や「TSUGITASHI」などのアフターサービスを用意することで、「1人の人」にどれだけ物を繋いでもらえるかを考えてきた。しかし2020年の後半くらいから、10YCが続いていくにつれ、「1人の人」で繋ぐというだけでは、自分たちが描く世界のすべてを表しきれておらず、「1人でずっとだけではなく、みんなでずっと」、1枚の洋服をどれだけ着てもらえるかも大切なのではないか?と考えるようになったという。

こうした考えから、2021年4月に発表した自社商品下取りサービス「THANKYOU BACK」、そしてこのほど発表した自社商品の2次流通サービス「ARATAME」の提供に至ったとしている。「THANKYOU BACK」してもらった商品を「ARATAME」で販売をすることで、「こんなことが自分たちのブランドの中でできたらな」と思っていたことがまた1つ実現するとし、「ARATAME」を通して、自分たちが作った洋服がクタクタになるまで着られていく、そんな状態を作っていきたいとの考えを示した。

アパレル業界における、服の廃棄・低賃金・工場の人材、後継者不足などの問題に対し、「自分たちにも何かできるんじゃないか?」という想いから、「着る人も作る人も豊かに」という理念のもと創業した10YCでは、全国の作り手とともに、透明性を持って(生産背景・生産工程・原価の見える化)、着心地や耐久性にこだわってものづくりを実行。長く着てもらうために染め替えやリペアなどのアフターサポートサービスも展開してきた。今後も自分たちが思い描く社会の実現のために、できることから取り組んでいくとしている。


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