2022.01.06

【新春インタビュー】アサヒグループ食品 岩﨑琢也部長「社会貢献するブランドへ、社内のシナジーも」


「カルピス健康通販」というブランドで「アレルケア」などのサプリメントの通販・ECを展開してきたアサヒカルピスウエルネスは2021年1月、アサヒグループ食品に統合された。統合以降、カルピス健康通販部では、フリーズドライ食品「アマノフーズ」などのブランドを持つアサヒグループ食品の中で、商品開発を中心にシナジーを生むべく取り組みを進めている。アサヒカルピス健康通販部の岩﨑琢也部長は「これまでプロダクトアウト型だった『カルピス健康通販』を、”お客さまの求めるもの”に照準を合わせた、社会貢献を強く意識するブランドに変えていく」と話す。岩﨑部長に、アサヒグループ食品内のシナジー創出の取り組みや、2022年の事業戦略について聞いた。

 

社会課題を解決する


――アサヒカルピスウエルネスは2021年に、アサヒグループ食品と統合した。「カルピス健康通販」の事業は、どう変わったのか?

アサヒカルピスウエルネスではこれまで、通販専業で事業展開を行ってきた。統合の過程の中で、店販などの一般流通チャネルを軸とする事業展開とは、ビジネスモデルが決定的に違うと改めて感じた。われわれには、マーケティングの仕方として、まだ足りないものがあると感じた。

アサヒカルピスウエルネスはこれまで、乳酸菌の研究をベースとして、プロダクトアウト的に、お客さまに商品を提案してきた。今は、プロダクトアウトのやり方では売れなくなってきていると感じる。健康食品は機能性表示食品が主流となり、商品がコモディティー化してきている。

今後は、お客さまにとっての価値を最優先し、社会課題の解決につながるブランドとして展開していかなければならない。商品だけでなく、サービスや、アプリの展開、リアルイベントを開催する取り組みもありえるかもしれない。お客さまに価値観を提供することが必要だ。アサヒグループ食品と統合して、そんなことを強く考えた1年だった。

――2021年12月期の「カルピス健康通販」の業績はどんな着地になりそうか?

基本的には前年比横ばいでの着地となりそうだ。

2020年12月期はコロナの影響があり、業績はプラスに転じた。主力の「アレルケア」に加えて、腸内環境・睡眠の質・日々の精神的ストレスの3つをケアする「ココカラケア」が、コロナ禍の中、”売れる商品”に成長した。売り上げ構成比としては、「アレルケア」「骨(こつ)こつケア」「メンタルサポート ココカラケア」の順となっている。


「免疫」の表示に挑戦


――2022年の事業目標について聞きたい。

「免疫」を訴求する機能性表示食品の開発には、アサヒグループ全社を挙げて取り組んでいる。さまざまなエビデンスデータを用意し、「免疫」の機能性表示食品の届け出が受理されるよう、チャレンジしている。「免疫」の表示が可能になれば、まさにお客さまの課題解決や、社会貢献のひとつにつながると考えている。

「免疫」に限らず、乳酸菌には、まだまだ多くの可能性があると考えている。「腸のスペシャリスト」として、さまざまな商品開発を検討していきたい。




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