2021.12.20

アスクル、ロングテール商品の品切れ解消に向けた実証実験を実施 カスケード型発注で機会ロス低減目指す

アスクルは12月15日、出荷頻度が低い商品の品切れ解消に向け、カスケード型発注への切り替えを目指した実証実験を段階的に実施していることを発表した。プラットフォーム改革を推進し、販売機会ロスの低減を目指す。

アスクルでは近年、あらゆる業種の顧客に向け商品の品揃えを強化しており、出荷頻度が低い商品の在庫数量以上の注文に伴う品切れ解消による販売機会ロスの低減のため、対象商品や対象センターを順次拡大し、カスケード型発注の本格運用に向け商品発注プロセスの高度化に取り組んでいる。カスケード型発注とは、顧客からの注文予測量をベースとしたアスクルからの商品発注量、納品希望日にサプライヤーの納品が困難な場合に、当該商品を別のサプライヤーに自動的に発注(カスケード発注)するプロセスを指す。

2021年10月から開始した、カスケード型発注への切り替えのための実証実験は、2022年2月までの予定となっており、実務上の効果検証やシステム化に向けた必要機能の選定などを行う。対象商品は約500アイテムで順次対象カテゴリの拡大を予定。10月に、OAPC用品の一部から「ASKUL Logi PARK 横浜」での実証実験を開始し、翌11月にはDCM センターへも検証範囲を拡大した。現在は、2022年の本運用に向けて、課題要件の洗い出しやシステム対応の検討を進めているとし、今後も在庫商品の拡充や物流プロセスの高度化など、DX によるプラットフォーム改革を推進していくとしている。

アスクルは、2025年5月期までの中期経営計画において、ロングテール品の在庫化を進め売上拡大することを成長戦略の一つとして位置付けている。一方で、専門商材の占める割合が多く、販売数量が多くないロングテール品は、ヘッド商品と比較すると需要変動を起因とした品切れによる販売機会ロスが見られ、これまでも品切れ解消に向けさまざまな施策を重ねてきたが、十分な改善には至っていなかった。今回、こうした販売機会ロスに関する課題を根本的に解決するため、カスケード型発注を導入すべく実証実験の開始に至ったとしている。

今後もビッグデータや最先端の物流プラットフォームをさらに活用・進化させ、データやテクノロジーを活用したビジネストランスフォーメーションを実現していく考えを示した。



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