2021.12.20

スペルデータ、メールにブランドロゴを表示できる「BIMI導入支援サービス」提供 


デジタル体験の計測・分析・改善のリーディングカンパニーSpelldata(スペルデータ)は12月7日、受信トレイにブランドのロゴを表示させることができる「BIMI(ビミ)導入支援サービス」の提供を開始した。BIMIは、メールフォームで横に表示されるアイコンに、企業のシンボルマークを表示させる仕様のこと。ブランドのロゴが表示されることで、メールを受信した人は、メッセージを開封する前にメールの信頼性を確認できる。このため、導入企業のメールの信頼性向上につながる。


BIMI導⼊⽀援サービス」は、Spelldataのなりすましメール防⽌サービス「MailData」におけるBIMIの設定を支援するサービス。ブランドロゴなど、シンボルマークの入ることで、企業の正規のメールであることを証明できる。なりすましメールから守ることにつながるため、企業ブランドの維持に寄与する。ブランドロゴの商標登録、商標登録に基づく認証マーク証明書「VMC」の取得、BIMIの設定完了まで一貫通貫に提供する。

BIMIは、「Brand Indicators for Message Identification」の略称。Gmailなどのメールクライアントでブランドロゴの使⽤を可能にする、新しいメール仕様のことを指す。海外では導⼊が進んでいるという。BIMIによって、①SPF(自社のドメイン名でメールを送ることができるメールサーバの登録)、②DKIM(送信者のなりすましや、メール内容の改ざん検知を行うドメイン認証技術)、③DMARC(SPF および DKIM プロトコル上に構築される E メール認証ポリシー)の3点をメール配信で設定していることを明⽰化できる。これによって、ユーザーに対してメールの信頼を培い、企業ブランドを守ることが可能になる。

同サービスの提供は、法人向けのサーバ証明書などを提供するデジサート・ジャパン合同会社(DigiCert)と、商標登録取得のサポートなどを手掛ける将星国際特許事務所との提携による。この提携によって、企業が「MailData」を導⼊した場合、Spelldataが企業に代わって⼿続きが煩雑な作業を担い、BIMIの設定をワンストップで提供できるようになった。



【3社提携と「BIMI導入支援サービス」提供の背景】

総務省では、なりすましメール防止策としてSPF、DKIM、DMARCの送信ドメイン認証技術の導入を推進している。しかし、21年6月の総務省の調査によると、JPドメインのDMARC設定状況は、全ドメイン数161万9675に対して、3万214ドメインとわずか1・9%程度にとどまったという(※1)。

フィッシング対策協議会によると、20年のフィッシング被害の報告件数は22万件超となり、前年の4倍まで拡大したという。さらに、21年1~8月ではすでに31万件以上となり、20年を上回るペースで増え続けている。大手企業のドメインをかたるものから、システムが脆弱な中小企業や個人事業主を狙うハッカーまで、多くの被害が報告されている(※2)。

SPF、DKIM、DMARCを設定して、BIMIの導入が進めば、一目で信頼できるメールであると分かるため、ユーザーをフィッシング詐欺の被害から守る一助になる。企業はメール到達率・開封率が向上し、ブランドイメージの向上にもつながる。


(※1)総務省 JPドメイン名の種別ごとにおける送信ドメイン認証技術の設定状況の結果
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/m_mail.html#toukei

(※2)フィッシング対策協議会
https://www.antiphishing.jp/



【ブランドロゴ設定の手続き】

BIMIの仕様に従い、対応しているGmailなどでブランドロゴを表示するには、以下の設定と手続きが必要となる。

■SPF、DKIMを設定し、かつ、DMARCで認証チェックに合格しなかったメールを排除するか、100%隔離する指定にしている
■受信トレイで表示する企業のシンボルマーク単体の商標登録がない場合には商標登録をする
■商標登録に基づく認証マーク証明書、VMC(Verified Mark Certificates)を取得する
■シンボルマーク(ブランドロゴ)は、SVG Portable/Secureフォーマットで作成する
■VMCとSVG Portable/Secureフォーマットのロゴデータは、BIMIの仕様に基づいて登録する

設定の手続きは上記のとおり。Spelldataをはじめとした3社が、以下のようにプロセスの役割分担を行って、企業の手続きをサポートする。

■SPF、DKIM、DMARCの設定 = SpelldataがPowerDMARCの代理店として販売して設定
■シンボルマークがない場合には、ロゴデザインのプロジェクトをリード
■ロゴデザイン、シンボルマークを新しくデザインした場合には、商標登録できるかどうかを将星国際特許事務所がチェック
■シンボルマークの商標調査・登録 =将星国際特許事務所が担う(期間は6カ月から1年間前後)
■ロゴファイルのSVG Portable/Secureフォーマット化 をSpelldataが担う
■VMCの販売 =SpelldataがDigiCertの代理店として販売
■BIMIの設定 = Spelldataが、PowerDMARC(パワーディーマーク、米国MENAINFOSEC『メナインフォセック』のなりすましメール対策サービス)上で設定

すでにシンボルマークの商標登録がある場合には、最短で数週間程度で、BIMIの導入を完了させることができる。シンボルマークの商標登録がない場合には、1年間強でBIMIの導入を完了させることができる。

スペルデータは、「企業ロゴは登録していても、シンボルマークは商標登録していないという企業は多い。商標登録手続きも当社が窓口となって進めることで、BIMI導入までワンストップで提供できる」(広報)と話している。



【将星国際特許事務所 渡部仁弁理士のコメント】

私自身はITの特許を専門に取り扱う弁理士として法律の世界に入りました。Spelldataの竹洞社長はもともと、司法書士事務所で働いて技術者としてITの世界に入った方。互いに、法律とIT技術について熟知している仲として一緒に仕事をしてきました。ロゴの商標登録は行っていても、BIMIで使われるロゴの一部であるシンボルマークについては商標登録をしていない企業が多くみられます。今回、このような形で、BIMIの導入支援サービスに関わることになりました。商標調査・登録は、弊所が得意とする分野です。必ずや企業の皆さまのお役に立てると考えております。


▶▶「BIMI導入支援サービス」の詳細はこちら
https://maildata.jp/service/bimi_implementation_support.html

▶▶なりすましメール防⽌サービス「MailData」はこちら
https://spelldata.co.jp/press_release/2021_09_28.html

▶▶Spelldataへの問い合わせはこちら
https://spelldata.co.jp/contact/inquery_for_services.html

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