阪急阪神ホールディングスグループで、メール配信システム「Cuenote(キューノート)FC」を提供するユミルリンクの業績が好調だ。2021年1‐9月期(第3四半期)に、通期売上予想の8割にまで到達。今年9月には東証マザーズに上場。社会的な信用度を高めると同時に人材を確保してサービスの質を高めている。清水亘社長に、上場の狙いや業績好調の要因について聞いた。
――2021年12月期の業績が好調に推移している。
2021年1‐9月期(第3四半期)の売上高は14億800万円で、通期業績の8割の進捗率となっている。サブスクリプション型のビジネスモデルなので、新規顧客の獲得と既存顧客の配信数増加が売り上げ増の要因だ。
主力のメール配信システムとショートメール(SMS)配信サービスの新規導入企業数が伸びている。特に、SMSサービスは前年同期の3倍に売り上げが拡大した。
2020年4月以降は、コロナ禍で対面による訪問営業活動が自粛になったことで、メールによる情報共有と発信に対する法人のニーズが高まった。大手企業では大型設備投資案件が延期になるケースがみられたものの、今年に入ってから延期していた案件が進む傾向もみられた。
社内的には、大型案件に人員を割いたため、問い合わせ件数の増加に対する対応に追われる形となった。来年は対応できる人員の確保に力を注いでいきたい。
――メール配信に安定した引き合いがあるのか。
プロモーションの活用では、メール配信が定着していることが挙げられる。運用コストを下げたいというニーズにもマッチしている。
BtoBでは、これまでメール配信を使ったプロモーションをしてこなかった製造業などからの引き合いが目立った。システムの品質に魅力を感じてもらっている印象で、メールの到達率と大規模な配信を希望する企業が増えている。特に、1社当たりのメール配信数が伸びており、コロナ禍から非対面の営業に活用する傾向が数字に表れている。