2021.11.26

【フューチャーショップ 安原氏に「DX成功例を聞く」】仕組みを「作る」だけではなく「生かす」姿勢が重要


社長がSNS活用を宣言


――DXを進めるには企業側の姿勢も問われている。DX化の好例は?

アパレルや靴などを販売するクロシェさんは、コロナ禍に売り上げをしっかり伸ばしている。コロナ禍になる直前の2020年の年頭に社長が「SNSを強化する」と宣言し、販売スタッフ全員がSNSの活用を開始した。若者向けのブランドというよりは、大人の女性向けのブランドであり、販売スタッフも大人の女性が多く、SNSで発信することに抵抗感がある方もいたという。それを社長自らが取り組む意義を伝え、方針を決めたことで販売スタッフの理解も得ることができた。そうした中でコロナ禍になり、オンラインでの接点の重要性が高まった。

クロシェさんは「STAFF START(スタッフスタート)」も導入し、販売スタッフが情報発信する環境を整えた。さらにスタッフのコンテンツ経由の売り上げを可視化し、しっかりと評価できる体制も取っている。販売スタッフからも「インスタライブをやらせてほしい」といった意見が出てくるようになり、EC売り上げも伸びていった。

――フューチャーショップでは導入企業の成功例を伝えたり、オムニチャネルやDXを進めやすいサービスを提供している。オムニチャネルサービスの導入状況は?

実店舗とECサイトのポイントや顧客データを統合できる「futureshop omni‐channel(フューチャーショップオムニチャネル)」の稼働数が100ブランドを超えた。対応している実店舗数で言うと2000店舗をゆうに超えている。ECプラットフォームのオムニチャネルソリューションでは、かなり多い方だと思う。2014年6月にリリースし、2019年末の稼働数は63ブランドだったので、コロナ禍に導入が加速している。

――パーソナルスタイリングサービス「DROBE(ドローブ)」やアパレル特化型クラウド販売管理システム「アパレル管理自動くん」など、ファッション企業向けのソリューションとの連携も強化している。

「DROBE」は「似合う服をプロが提案」をテーマに、雑誌・広告のスタイリストやバイヤーなど経験豊富なプロと独自開発のスタイリングAIが、顧客の好みや悩みに合わせて商品をコーディネートし、自宅に届けるサービス。アパレルブランドが「DROBE」に商品を提供することで、ブランドの認知度向上や新しい販路の開拓を実現できる。

「アパレル管理自動くん」は受注情報や在庫情報をリアルタイムかつ自動で管理することが可能。これにより発注数の予測や不良在庫の削減を実現できる。ファッション業界で過剰在庫の問題意識やSDGsの意識が高まる中で、販売管理ソリューションのニーズは高まっている。双方ともファッションブランドからたくさんの問い合わせをいただいている。このようなニーズのあるソリューションとの連携は今後もしっかりと進めていく考えだ。


「futureshop」
https://www.future-shop.jp/




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