ニッピコラーゲン化粧品の健康食品事業は「ニッピコラーゲン100」が売り上げをけん引している。健康食品の2019年3月期売上高は、前期比14.8%増の28億900万円。2020年3月期の売上高は、約30億円を見込んでいる。現在、国内の既存顧客は12万~13万人に上る。2020年1月からプロモーションに起用した女優の仙道敦子さんが売り上げの底上げに一役買っているという。ヒット商品の秘訣と来期以降の計画について、内田恭平常務取締役に聞いた。
優位性は品質とコスパ
――「ニッピコラーゲン100」は18年前の発売以来、売り上げが伸び続けている。ヒットの秘訣は。
世界で初めてコラーゲンを水に溶かす技術で特許を取得したという歴史、品質、価格、使い勝手の良さが評価につながっている。累計販売数はおよそ570万箱だ。特に、自社開発ならではの品質の高さと、続けやすい価格での提供が、お客さまに響いている。純度100%の低分子コラーゲンを配合し、お客さまが求めやすい価格を追求している。
商品はコーヒーやヨーグルトといった、飲料や食事に混ぜて体に取り入れる。生活の一部としてなじむので、続けやすさも感じていただいているる。
「身近な幸せ」広げたい
ーー2020年3月期の健康食品による売上高は、約10%増の30億円超を見込む。どんな販促が奏功しているのか。
2020年1月から起用している、女優の仙道敦子さんを起用した販促に早くも手応えを感じている。起用してまだ3カ月に満たないが、ボディーブローのように売り上げの底上げになっている。本来、8%程度の増加を見込んでいたが、仙道さんの後押しで2桁増も見えてきた。
仙道さんは、普通の主婦としてのベースがある。お客さまにとって身近に感じることができる存在だ。特に50代のお客さまに人気を得ている。広告にはできるだけ仙道さんのアイキャッチをつけている。仙道さんを見かけるたびに、「ニッピコラーゲン100」を想起してもらいたい目的からだ。
ーー今後の目標は。
将来的には、国内のリピーターを100万人にしたい。現在のリピーターは12万~13万人。もっと多くの人に「ニッピコラーゲン100」の効果を実感してもらい、健康状態が良くなることで身近な幸せを感じてほしい。
現在のお客さまは40~70代がほとんど。30代の女性にも「コラーゲン100」を取り入れてもらい、体の内側から健やかになる取り組みとして早く活用していただきたい。ウェブ広告では肌の潤いなどを訴求し、若年層向けの獲得を意識している。
男性のお客さまも獲得していきたい。プロモーションは今後検討していく。
台湾は期待値5倍の売上
――海外市場での売れ行きは。
台湾に手応えを感じている。2019年9月から、パートナー企業による台湾国内でECの展開を行っている。現在、売り上げは期待値の5倍。日本と同様に、品質とコストの良さが評価されている。
現地のSNSを利用したプロモーションが奏功している。SNSはお客さまと双方向で発信できる点が特徴。コミュニケーションを重視したことが新規顧客獲得につながった。
香港では現地のパートナーチームを介し、現地の医療機関やスポーツイベント協賛等を通じて商品を提供している。現地でのEC展開も視野に入れており、今後検討していく。
健康食品事業のうち、海外事業が売り上げに占める割合は現在3%に満たない。新たな国への進出も検討し、さらなる拡大を目指す。