2021.11.17

アスクル、「LOHACO」でメーカーのテストマーケティングを支援 時間・コスト・精度の課題を解決

アスクルは12月1日、日用品ショッピングサイト「LOHACO」において、メーカー向けテストマーケティング支援プログラム「LMP Insight Test」(ロハコ マーケティングプラットフォーム インサイト テスト)の提供を開始する。新商品を発売する前段階において行うテストマーケティングを支援し、新商品の販売動向や商品レビュー、ターゲット像の把握等を可能にする。

「LMP Insight Test」は、「LOHACO」での販売が決定した商品を対象に、新商品を発売する前段階において行うテストマーケティングを支援するサービス。対象商品を「LOHACO」サイト内の売り場で集中的に掲載し、販売動向・顧客属性特徴・商品評価を含んだ詳細な購買検証レポートを納品する。最大の特長は、申し込むと自動的に「LOHACO」サイト内の売り場での商品掲載が開始され、約1カ月後には精度の高い詳細検証レポートのフィードバックを得られる仕組みにより、手間なく手軽にテストマーケティングを実施できる点。サイト上での集中的な商品掲載により認知度を高め、購買につなげることもできる。



3週間の集中掲載により得たデータは、ECマーケティングラボにて、年間100社以上の企業がデータを活用する基盤を生かして、他社商品実績を含む購買データを活用した詳細な検証を実施。検証規模はドラッグストア約130店舗分相当し、新商品のテストマーケティング検証において、より粒度の高い条件で検証が可能となっている。所要期間は、販売開始からおよそ1カ月(販売期間3週間を含む)で、費用は100万円(税抜)。

昨今のEC利用の増加に伴い、これまで実店舗で購入していた日用消費財をECで購入する傾向がみられ、実店舗だけでなくECでの販売も念頭に置いた新商品の訴求方法やターゲティングの策定等がマーケティング上不可欠となる。しかし、これまでのテストマーケティングは限られた一部のエリアや実店舗での実施であることが多く、多くのデータを集めることが困難なほか、費用や工数がかかることが課題となっていた。「LMP Insight Test」の導入により、メーカーは、自社で手間をかけることなく、十分なテストマーケティング規模で商品の認知度アップと詳細な検証を行い、その後の他チャネルも含めた商品販売促進計画に役立てることが可能となる。

「LMP Insight Test」の先行活用を行った味の素の商品「コムタンクッパ」の事例では、属性分析により、「LOHACO」の同カテゴリ顧客層に対して「50代~60代」「女性」「東京在住」比率が高いという傾向であることがわかった。ターゲット像の明確化により、他チャネルを含む広告配信セグメント検討等に活用できる。また、商品への反応率分析やレビュー投稿内容から、「コムタンクッパ」は、レトルトカレー等の「簡便派」食品カテゴリに属していながらも、韓国料理やエスニック系の商品だけでなく、調味料等の「自炊派」食品カテゴリなどの顧客の反応率が高いことが判明。これにより、コムタンクッパを購入する人は「簡便さを求めつつも食へのこだわりもある」層であることがわかり、ターゲット像の明確化により、広告のキャッチコピー等への反映を可能にした。


「LMP Insight Test」先行活用事例

「LMP Insight Test」ではこのように、どの他社商品やカテゴリへの反応率が高いかなど、「LOHACO」全体のデータを活用して顧客軸で把握することが可能なため、メーカー1社のテストマーケティングでは検証が困難な項目も調査可能となる。先行活用した味の素からは、「広範囲のカテゴリ(食品カテゴリ以外も)」をまたいだ反応率分析により商品ポジションが明確になり、非常に参考になりました」との評価を得ており、別商品での実施も予定しているという。

EC普及により日用消費財がECでも購入されるようになり。メーカーには時代ともに多様化する消費者のニーズを的確にとらえた商品開発やマーケティングが求められている。従来、メーカーが新商品を開発してから発売に至るまで、また発売後に市場シェアを拡大する段階にはテストマーケティングを行い、消費者のニーズ調査等を行うが、「一部の実店舗でのテスト販売のため収集データが不十分である」「テストマーケティングを行うのに時間も費用もかかる」といった課題を抱えていた。こうした背景から、メーカーの課題を解決し、手軽なテストマーケティングの実施を可能にするべく、「LOHACO」サイト内の売り場での商品掲載と販売動向などの詳細検証レポートを一連のパッケージとしたプログラムの提供に至ったとしている。

また、「LMP Insight Test」の提供に伴い「LOHACO」では、同サービスを含む「LOHACO」での各マーケティングソリューションを「LOHACO Marketing Platform」(ロハコ マーケティングプラットフォーム、以下「LMP」)と総称し、商品発売前のリサーチから商品発売後のブランド育成まで、一気通貫でメーカーのマーケティングを支援するサービスとして定義した。

メーカーの商品開発時のニーズ調査等に「リサーチ(仮称)」プログラムを活用、テストマーケティングに「LMP Insight Test」プログラムを活用、商品発売後の販促等に「アドプログラム(WEB広告枠)」を活用するを想定しており、同プラグラムで得られた知見を「LOHACO」以外の他チャネルへも活用できるとしている。2014年より「LOHACO」が取り組む「LOHACO EC マーケティングラボ」や、2019年より実施の「LOHACO Insight Dive」も「LMP」の一部と再定義し、メーカー向けマーケティング支援サービスを「LMP」へ集約することで、統合的なマーケティング支援を強化し、「LOHACO」の独自価値ECとしての成長の源泉であるメーカーとの“共創”を加速させる考えを示した。

ビッグデータ・テクノロジーの活用を一層進め、顧客・メーカー・「LOHACO」の3者が“win-win-win”となる新たな社会最適のECビジネスをこれからも追求するとしている。



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