2021.10.29

メルカリ、物流子会社「メルロジ」設立 梱包レスやクリーニング・リペアも提供、「メルカリ」外のEC物流も担う

メルカリは10月28日、物流サービスの企画・開発・運営を行う子会社「株式会社メルロジ」を設立することを取締役会で決議した。メルカリが持つデータとテクノロジーを活用した効率的な集荷物流網を構築することで、顧客体験をさらに向上させるサービスを提供する考えだ。

2013年7月から提供しているフリマアプリ「メルカリ」は、月間利用者数が約2000万人、累計出品件数は20億品を突破している。日本全体の年間宅配便取扱個数50億個のうち5~10%を「メルカリ」の荷物が占め、コンビニ発送のうち約80%が「メルカリ」の出品物の発送になるほど成長している。「メルカリ」の取扱量の拡大とともに、郵便局やコンビニエンスストアなどの発送・集荷時のオペレーション負荷は高まっている。メルカリは2020年から、対面の接客なしに商品の発送ができる「メルカリポスト」を全国約1000カ所に設置するなど、パートナーと連携しながら、オフラインのタッチポイントの拡充や発送・集荷の効率化施策に取り組んできた。

メルロジでは、メルカリが保有する国内最大級の発送取扱量および、「メルカリポスト」(全国約1000カ所)やリアル店舗「メルカリステーション」(全国11か所)をはじめとした自社のタッチポイントを基盤に、メルカリが持つデータとテクノロジーを活用した効率的な集荷物流網を構築することで、顧客体験を向上させる新たなサービスを提供する。


メルロジのサービスイメージ

具体的には、メルカリが持つ月間利用者2000万人の取引データをもとに、より荷量が多い場所を特定し、集荷の精度を上げることで、効率的な集荷物流網を構築する。現在全国約1000カ所で展開している「メルカリポスト」を2024年までに全国8000カ所に拡大し、「メルカリステーション」と合わせて自社のタッチポイントとして活用することで、集荷効率の最大化を図る。

これらの集荷物流網を通じ、売れた商品を持ち込むだけで発送が完了する梱包レス発送や、発送前の商品のクリーニング、リペアといった付加価値サービスを提供する方針だ。梱包レス発送は2021年4月から実証実験を行っており、クリーニングやリペアは2022年春に導入予定だ。

さらに、グループ会社のソウゾウが展開するEコマースプラットフォーム「メルカリShops」の出店者向けに、出品・梱包・発送代行を担うサービスを提供し、メルカリグループの他の事業とのシナジー創出も目指す。メルカリグループ内にとどまらず、メルロジの集荷物流網を広く開放し、「メルカリポスト」を活用した他社ECの商品返品などの発送対応や、メルカリグループ以外のサービスを使ったネットショップ出店者にも、保管・発送サービスの提供する計画もある。

メルロジはパートナーとの連携により、トラックや倉庫などの自社アセットを持たない形の事業体になる。持続可能な物流のあり方を追求するとともに、顧客の利用体験の向上を実現することにより、「送る」「運ぶ」「受取る」のすべてにやさしい物流・サービスの提供を目指す。



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