2021.10.25

楽天モバイル、韓国・イストモブ社を完全子会社化 インターネットサービスやエコシステムの開発を加速

楽天モバイルは10月25日、P2P(ピアツーピア)ファイル転送ソリューションを開発する韓国のスタートアップ企業であるEstmob, Inc.(イストモブ社)を買収し、完全子会社化すると発表した。今回の買収により、楽天グループの通信プラットフォーム事業組織であるRakuten Symphony(楽天シンフォニー)が韓国における研究開発拠点を設置し、イストモブ社の開発体制や技術を活用したインターネットやエコシステムに関するサービスの製品開発を加速させる。イストモブ社は、同社のサービスである「Send Anywhere」を引き続き強化し、将来的には同サービスを楽天シンフォニーが提供するサービスへ統合することも目指している。

韓国・ソウルに拠点を置くイストモブ社は、2つのデバイス間で最も効率的にファイルを送信する方法を課題に掲げ2012年に創業した。同社は、世界中で4300万人以上のユーザーを抱えるP2P(ピアツーピア)リアルタイムファイル転送サービス「Send Anywhere」を開発している。日本、台湾、韓国、米国、英国で幅広く利用されており、ユーザーはモバイルアプリケーションやウェブを介して、あらゆるプラットフォーム上で安全にデジタルコンテンツを共有するためにサービスを利用している。 2019年、イストモブ社はクラウドサービス「Sendy」の提供を開始、「Send Anywhere」の技術にクラウド機能を追加することで、コラボレーションツールに進化した。「Sendy」は、主に日本で利用されており、次いで韓国と米国での利用が拡大しています。月間アクティブユーザー数は、対前年245%、アプリのダウンロードは対前年623%と急成長している。

楽天グループのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)である楽天キャピタルは、アーリーステージの投資ファンド「Rakuten Ventures」を通じて、2014年のファーストシードラウンドからイストモブ社を支援している。

楽天モバイル代表取締役副社長兼CTOで楽天シンフォニーのCEOを務めるタレック・アミン氏は、「イストモブ社を楽天シンフォニーのメンバーとして迎え入れられることを非常にうれしく思います。優秀な開発チームを生かして、世界中の携帯キャリアに競争力のあるプラットフォーム製品を提供できると期待しています」とコメントしている。

イストモブ社のオ・ユンシックCEOは、「日本で最もイノベーティブな企業の1社である楽天グループに参画できることを非常にうれしく思います。イストモブ社と楽天シンフォニーが提供するサービスが、市場において強固で優位な地位を確立できるよう最善を尽くしていきます」とコメントしている。

イストモブ社の最高マーケティング責任者(CMO)であるソン・スンヒョン氏は、楽天シンフォニーでインターネット・エコシステムサービスを担当するプレジデントとして参画する予定。楽天シンフォニーのインターネット・エコシステムサービス事業を担うチームは、楽天グループのソフトウェア開発部隊と協働し、メンバーシップ、ロイヤルティ、ペイメント、メディア、ゲーム、クラウドストレージプラットフォームなどのスタンドアローン製品を一元化された楽天シンフォニーのポートフォリオとして統合するために必要なメディエーション・レイヤーを開発する。同事業グループは、統一デザインガイドラインの開発や、ガイドラインに基づいたUIの一元管理・検証等を行う組織としても機能する予定だという。



RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事