2021.10.18

メルカリとアイスタイル、化粧品の二次流通市場を調査 一次流通への消費喚起効果は年間205億円に

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授 山口真一氏(左)、アイスタイル 代表取締役社長兼CEO 吉松徹郎氏(中)、メルカリ 執行役員 メルカリジャパン CBO 兼 CMO 野辺一也氏(右)

メルカリとアイスタイルは10月14日、化粧品/コスメの二次流通市場がもたらす一次流通市場への影響を明らかにすべく、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授 山口真一氏と実施した共同調査「化粧品/コスメの二次流通市場」の調査発表会を開催した。山口氏がポイント解説を行い、「“試供品の利用”や“店頭での試用”などの選択肢があるなかで、二次流通市場で購入し、試すことも一般的になってきている」などの考察を示した。

新型コロナウイルス感染症の影響等により、2020年の化粧品出荷額は約1兆4783億円、前年比13.9%減のマイナス成長となっている。 アイスタイルの調査によると、71.8%が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で化粧品に関する買い物に変化があったとし、最も多い変化として、72.3%が「店頭での化粧品テスター活用の減少」と回答。さらに90.6%が「サンプルやテスターで試すことができず購入を躊躇した経験がある」と回答するなど、新型コロナウイルス感染症が店頭での試用を主とした化粧品販売にマイナス影響を及ぼしていることを示唆している。

一方で同調査によると、フリマアプリやオークションサイトで化粧品/コスメを購入する理由1位は「安く買いたいから」(65.6%)、2位は「お試し購入」(56.6%)であることがわかった。「安く買いたいから」という理由は、一次流通市場での購入(新品での購入)に代替する可能性があるものの、「お試し購入」という理由は店頭での化粧品テスター活用を補完し、新品での購入を促進する等、二次流通市場が一次流通市場にプラス影響を与えている可能性がある。

このような背景を受け、メルカリとアイスタイルでは、化粧品/コスメの二次流通市場が一次流通市場にもたらす影響について実態を明らかにすべく、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授 山口真一氏との共同調査を実施。その結果をもとに、報道関係者を対象とした調査結果発表会を開催した。同発表会では、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口真一氏がポイント解説を行った。

なお、共同調査「化粧品/コスメの二次流通市場」は、2021年9月に実施。調査対象は、全国15~69歳の男女2000人で、内1500人が、直近6カ月間、二次流通市場で化粧品/コスメの購入経験がある男女。500人が、二次流通市場で化粧品/コスメの購入経験はないが、新品での購入経験のある男女となっている。

二次流通購入者のうち、直近6カ月間でトライアル消費(これまでに使用したことがない商品について、二次流通市場において試用目的で購入すること)をした人が40.1%おり、トライアル消費を行う理由として「店頭や通販サイトなどで新品の購入を失敗したくなかったため」(43.5%)が最も多く挙げられたことについて、山口氏は「“試供品の利用”や“店頭での試用”などの選択肢があるなかで、二次流通市場で購入し、試すことも一般的になってきている」と説明した。次いで回答数が多かった「通販で買うことが多く、購入前に試したかったため」(35.9%)、「新型コロナの影響で化粧品・コスメを通販で買うようになり、店頭で試せなくなったため」(35.2%)にも触れ、「新品購入の失敗を避けるためのトライアル消費が二次流通市場に求められている。Withコロナ時代がしばらく続くと考えれば、その重要性はますます高まると考えられる」と今後を推測した。



二次流通市場による一次流通市場への消費喚起効果が年間205億円あり、そのうち「購入による消費喚起効果」が52億円を占めることと、「直近6カ月間における化粧品/コスメ購入金額」において、一次流通市場だけでの平均購入金額を比較するとトライアル消費を行う人が最も高く、二次流通で購入を行わない人の約2.6倍になることについて、「二次流通は価格が安い傾向にあるため、お金を使わない人が利用していると思われがちだが、むしろ化粧品/コスメが好きなヘビーユーザーが利用し、新品購入につながっている」とその実態を解説した。



さらに二次流通で購入を行わない人の20.4%がトライアル消費に興味を持っていることから、「今後、このような方々が二次流通市場に参入してくることで、二次流通市場による一次流通市場への消費喚起効果(年間205億円)はより大きくなり、一次流通市場に対してさらにポジティブな影響を与えられるのではないか」と期待を語った。

山口氏による調査結果解説後には、「一次流通の活性化に向け、メルカリ・アイスタイルが目指すこと」をテーマとして、メルカリ執行役員 メルカリジャパンCBO兼CMOの野辺一也氏、アイスタイル代表取締役社長兼CEOの吉松徹郎氏、アイスタイル データ戦略推進室長の勝並明子氏によるパネルディスカッションを実施。「メルカリで化粧品を買うこと」「安心に取引するための取り組み」「化粧品ブランドとのマーケティング連携の未来像」の各議題について、3人が意見を交わした。

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