2021.10.13

アリババクラウド、服の在庫管理に使える「EC商品画像解析AI」提供 AIサービスパッケージを発表

アリババグループのデータインテリジェンスの中枢であるアリババクラウドは10月12日、AI関連サービスを必要とする日本の事業者を支援するための包括的なAIサービスパッケージを発表した。商品の画像解析を可能にするビジュアルAIソリューション、機械学習タスク用のGPUインスタンスやAIアクセラレーションエンジン、Eコマース、自動車業界向けのAIソリューションまで、さまざまなソリューションを含む同パッケージの提供により、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速を求める顧客のニーズに応えるとともに、最先端のテクノロジーを市場に展開するというアリババクラウドの継続的な取り組みを実証する。提供に伴い、パッケージに含まれる関連AI製品の技術サポートを最大3カ月間無償化するほか、開発者コミュニティ向けに定期的なオンライントレーニングも実施する。

アリババクラウドは、AI関連サービスを必要とする日本の事業者を支援するための包括的なサービスパッケージを発表し、実績のある複数のAI技術を日本市場に導入した。「EC商品画像解析AI」を含むビジュアルAIソリューション、パワフルなGPUインスタンス、AIアクセラレーションエンジン、クラウドネイティブなAIスイートを提供する。

「ビジュアルAIソリューション」は、Eコマースや自動車業界が抱えるビジネスのニーズに応えるために、アリババのグローバルな研究機関である「アリババ DAMOアカデミー」で開発された技術を活用したもの。「EC商品画像解析AI(EC Product Image Analysis)」は、Eコマース事業者がオンラインの商品在庫をより適切に管理できるよう支援するソリューションで、写真がアップロードされると、商品を自動的に識別し、服のカテゴリーや柄、色、襟の種類に至るまでの情報を抽出、商品に合うラベルを簡単に付与することができる。これによりECサイトでは、数百万点に及ぶ商品の分類とインデックス作成プロセスが高速化され、ラベルタグに基づくリアルタイムの傾向分析が可能になるほか、ECサイトで商品を販売する事業者は、インテリジェンスに基づいておすすめの商品を販売できるようになる。


「EC商品画像解析AI」の利用イメージ

中古車売買サイトにおける車両所有者のプライバシーを保護するソリューション「自動車プライバシー保護(Vehicle Privacy Protection)」では、高精度のセグメンテーション技術を活用することで、中古車販売サイトでは車両の所有者が投稿した写真のナンバープレートや背景の情報に自動でモザイクをかけて、車両のみの詳細情報を提供できる。車両破損が起きた際に保険金請求に掛かる期間を数日から数分に短縮するソリューション「車両損傷評価(Vehicle Damage Assessment)」は、車両の外観上の破損箇所を自動的に特定し、破損の位置や度合いなどの評価結果を提供。保険調査員は過去のデータを迅速に参照でき、修理費の見積りプロセスを効率化できる。


「自動車プライバシー保護」の利用イメージ

機械学習の推論・学習、高性能計算(ハイパフォーマンス・コンピューティング)およびグラフィックス仮想化を可能にするパワフルなGPUアクセラレーテッドインスタンスは、画像分類、ビデオトランスコーディング、グラフィックスレンダリングなどのAIタスクの展開に使用できる。費用対効果に優れたGPUインスタンスには、最先端のNVIDIA A100、A10、そして人気の高いT4シリーズを含む最新のNVIDIA GPUが搭載されている。

画像認識、広告のクリック率推定、自然言語処理、インテリジェントな音声認識といった大規模なディープラーニングのタスクに最適化されたアクセラレーションエンジン「Apsara AI Acceleration」は、Tensorflow、PyTorch、MXNet、Caffe、Kaldiといった主要な分散型学習フレームワークをサポートする。

Alibaba Cloud KubernetesをベースにしたクラウドネイティブなAIスイートの導入により、アルゴリズムエンジニアやサイエンティストがAIモデルトレーニングのO&M(Operation & Maintenance)環境を簡素化し、よりコスト効率に優れた方法でAIプラットフォームを構築できるようになった。このスイートには、AIエンジニアリングの効率化を図るためのさまざまなツールやコンポーネントが含まれており、環境構築からモデル開発、モデルトレーニングおよび推論に至るまで、ディープラーニングのあらゆる段階を網羅する。

同パッケージの提供に伴いアリババクラウドでは、企業がビジネスの成長に向けたAIソリューションの潜在的なメリットを検討できるよう、パッケージに含まれる関連AI製品の技術サポートを最大3カ月間無料で提供する。さらに開発者コミュニティである「AliEaters」と連携し、AIや機械学習の最新トレンドやビジネスケースに関するオンライントレーニングを定期的に提供する。

今回の取り組みにあたり、アリババクラウド・ジャパンのカントリーマネージャー、ユニーク・ソン(Unique Song)氏は、「日本のお客様のビジネスの成長をサポートするために、実績のある世界トップクラスのAI技術を多数、日本市場に導入できることを嬉しく思います。デジタル時代において、バックエンドインフラストラクチャから産業用ソリューションまで、安定性を備え、かつ費用対効果に優れたAIを提供することで、お客様に新たな価値をもたらせると考えています」とコメントした。



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