2021.10.13

【「多モール化」成功のコツを聞く】森源商店、コロナ禍にEC売上倍増 「dショッピング」が「楽天」迫る勢い

森源商店 取締役 水谷和弥氏


大阪市中央卸売市場で海産物などの仲卸業を営む森源商店は、大手ECモールのアワード受賞歴を持つ有力EC企業でもある。コロナ禍に高まるお取り寄せ需要に応えるため、資金面や物流面を強化し、EC売上高を2倍以上に拡大している。多モール展開を『実のある形』で推進してきたことも、“需要”を”実績”に転換できた要因だ。各モールで実績を伸ばす中、2019年10月に出店した「dショッピング」の躍進が目覚ましいという。最初に本格出店した「au Pay マーケット」や、最も販売比率が高い「楽天市場」に迫る勢いだ。森源商店 取締役の水谷和弥氏に、多モール化で成長するための戦略や運営面の工夫について聞いた。


コロナ禍に一層ECに注力


――コロナ禍でのEC事業の状況は?

コロナ禍でかじ取りは難しいですが、高まるEC需要を捉えるために、資金面や物流面でアクセルを踏むことができました。今期はコロナ前と比較して2倍以上のEC売り上げになる見込みです。当社では10年以上前からEC事業を開始し、売り上げの大半をEC事業で上げているので、コロナによる損失をそこまで大きくないですが、「もしECをやっていなかったら・・・」と想像すると恐ろしいです。リアル店舗向けの卸は、コロナ禍に入り、売り上げが前年比5割減になりました。今後もより一層ECに注力していこうと考えています。


▲森源商店では海産物やフルーツなど旬のグルメを販売している

――ECの販売チャネルごとの売上比率は?

モールごとの売上比率は「楽天市場」が3~4割で、次いで「au Pay マーケット」「dショッピング」「PayPayモール」「Amazon」が並んで重要なチャネルです。

――どのように多モール展開していきましたか?

11~12年前からECを始めました。「ヤフオク」に出品から「ビッダーズ(現・au Pay マーケット)」へ出店しましたが、毎日注文が入るような状態になるまで2~3年かかったと思います。徐々に「ビッダーズ」で売れ始めてから出店先を広げ、現在は「楽天市場」「PayPayモール」「Amazon」「au Pay マーケット」「ポンパレモール」「Qoo10」「dショッピング」といった主要モールに出店しています。2017年には「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)」も受賞させていただきました。

今、最も勢いのある「dショッピング」には2019年10月に出店しました。「dショッピング」は選ばれた店舗のみが出店できるプレミアムモールですが、「楽天SOY」を受賞したこともあり、お声がけいただくことができました。出店前から「出たい」と思っていたので、二つ返事で出店を決めました。KDDIグループが運営する「au Pay マーケット」で成果を出せていたので、大手モールほど市場規模がなくても、「しっかり取り組めば売れる」と確信していました。当時は海産物の販売会社が当社以外にもう1社あるくらいでしたので、競争もそこまで激しくないと見ていました。

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