2021.08.30

「KARTE」提供のプレイド、Emotion Techを子会社化 NPSなど調査市場へとサービス領域を拡大

Emotion Tech 今西良光代表(左)、プレイド 倉橋健太CEO(右) 

プレイドは8月27日、既存株主からの株式取得、第三者割当増資の引き受けによりEmotion Techの発行済み株式の64%を取得し、グループ会社化すると発表した。Emotion Techのグループ参画により、NPSなど調査市場へとサービスの提供領域拡大を図る。なお、Emotion Techはプレイドグループに参画後も既存経営陣が経営および事業を推進し、株式公開を目指す予定としている。

プレイドは、「データによって人の価値を最大化する」をミッションに掲げるテクノロジーカンパニー。2015年にCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」の正式提供を開始。2018年にはスマートフォンアプリ向けの「KARTE for App」と、顧客に関わるあらゆるデータをKARTEと繋ぐ「KARTE Datahub」の提供を開始している。

このほど株式の64%を取得し、グループ会社化したEmotion Techは、事業の業績との相関が高い指標として欧米で発展し、日本でも企業の導入が加速しているNPS(ネット・プロモーター・スコア)を軸に、企業におけるNPSの取得、分析および、向上支援をSaaSプロダクトとコンサルティングで提供する企業。NPSを企業で働く従業員向けに転用したeNPS(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)を軸にした同様のサービスも展開しており、企業やサービスの顧客および、従業員におけるロイヤルティや推奨度をデータ化し、業績向上や離職防止などを可能にしている。

プレイドは今回の株式取得により、Emotion Techがプレイドグループに参画することで、既存のマーケティング領域に加えて、NPSなど調査市場へとサービスの提供領域を拡張していくとしている。具体的に実現することとして、NPSなどサーベイ分野への価値提供領域を拡大、行動データに感情データを掛け合わせることによるCX(顧客体験)向上に向けたソリューションの拡大、シナジーの創出による両社の事業成長の加速を挙げた。

デジタル化など生活者の環境変化を背景に、NPSを含めたサーベイ分野は欧米で急速に拡大しており、QualtricsやMedalliaといった注目企業が急速な売上成長を遂げ上場や買収を経てなお、成長を続けている。欧米と同様に国内における成長拡大も見込まれる市場であるとし、本株式取得を機に両社でサーベイ分野への事業拡大を図る。さらに企業の顧客に纏わるあらゆるデータは、マーケティングや調査のみならず様々な部門・部署で顧客体験向上や事業成長のために活用できるとの考えから、企業内におけるデータの横断的な利用価値拡大を目指していくとしている。

CX(顧客体験)向上に向けたソリューションの拡大については、プレイドの展開するCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」とEmotion Techの展開する顧客の感情やフィードバックデータを軸としたCX(顧客体験)向上ソリューション「EmotionTech CX」を組み合わせることにより、サイト上でのリアルタイムな行動データと、顧客のNPSおよび、それに紐づく感情データを掛け合わせた顧客の解析やアクションが可能になるとした。サービス間連携により顧客の解像度を高め、新たなソリューション開発も可能になり、両社の提供価値が向上するとしている。

2020年5月にEmotion Techへの出資と戦略的パートナーシップを締結して以降、両社はサービス間の連携や共同の事業開発及び商談機会の創出などを進めており、CX(顧客体験)の簡易診断サービス「Simple CX Survey」などを提供している。今回のグループ参画により、人材面における交流もより活発化し、クロスセルの加速や共同ソリューションの開発、さらには相互のプロダクト強化により、レベニュー(収益)シナジーを追求し、両社の事業成長をさらに加速する考えを示した。

上記の3点に加え、EX(エンプロイー・エクスペリエンス)に関連する事業展開など、より広範な分野での連携していくことを想定しているとし、今後も「データによって人の価値を最大化する」というミッションの実現に向け、グループ企業と共に、サービスやソリューションの開発・提供に取り組んでいく考えを示した。



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