2021.08.21

【コロナ禍の成長企業分析】アクシージア、中国越境好調で30%増収 利益を確保し確実に成長

段代表取締役 手の商品は今年4月に新発売したスキンケアシリーズ「LisBeau」

「目元のケア」や「抗糖化」に着目した、高価格帯のスキンケア化粧品やサプリメントを製造・販売するAXXZIA(アクシージア)は、中国向け越境ECが好調で、2020年7月期の、中国向けを含めたEC売上高は、前期比30.4%増の29億4300万円となった。全社売上高42億9000万円の内、中国でのEC売上高が67.6%を占める。2020年8月‐2021年4月期(第3四半期)も、EC売上高が28億2700万円となるなど、今期も好調。群雄割拠の中国越境EC市場で、アクシージアは、利益を着実に確保し成長を続けている。

中国向けEC市場に参戦する企業は、「独身の日」などの大型商戦において、半額以上といった大幅な値引きを行うことが常態化している。認知拡大のため、大量の広告宣伝費を投入する企業も少なくない。そのため、売り上げは上がっても、利益確保に苦戦するケースが多いという。

こうした市場において、同社の2020年8月―2021年4月期の営業利益は、9億9000万円。24.4%という、同業他社に比べ高い水準の営業利益率を確保できている。

同社では、「着実な成長やブランディングの観点から、極端な値引きは行わないようにしている」(段卓代表取締役)と言う。値引きをせずとも顧客から選ばれるよう、独自の施策を展開している。



天猫内のアクシージアのサプリメント専門の旗艦店 大人気の「AGドリンク」の販売ページ

中国EC市場で大きな成果を上げるには、広告宣伝は必要不可欠と言われている。資本力のある世界の大手企業との競争に勝ち抜く必要があるからだ。

同社でも、有名な女優やインフルエンサーをPRに起用するなど、必要な場面では適切に広告投資を行っている。一方で、広告宣伝費は総売り上げの15%以下になるようコントロールしているという。

中国CtoCモール「タオバオ」の多数の店舗オーナーと、毎日連絡を取り合っており、緊密な連携を構築できていることも、同社の強みの一つとなっている。囲い込んだ、信頼できるオーナーに商品を供給しているため、不当な廉価品販売が横行する中国ECにおいても、大幅な値崩れを防ぐことができているようだ。


今年9月に発売の新商品 乳酸菌サプリメント「ラクト カプセル」

同社では「製品開発は成長の源泉。継続してヒット商品を生み出せるよう、体制を整えている」(同)と話す。同社では、年間約100~200SKUの商品の開発が検討されるという。試作品を、社内モニターやタオバオオーナー、サロンオーナーなどがチェックし、8割以上の賛成が得られたもののみが量産される。実際に量産化される商品は、年間15~20SKUだとしている。

「天猫」にある同社のサプリメントの旗艦店では、全体の3分の1がリピート購入だという。定期購入に馴染みの少ない中国においては、高いリピート率といえる。商品の魅力を伝え、熱心なファンを獲得することができている。

こうした施策により、「中国での認知度・知名度が向上し、売上高が伸長している」(同)と言う。2020年8月―2021年4月期業績における、中国EC売上高は28億2700万円。日本国内のEC売上高は8300万円となっている。6月には、2021年7月期の通期業績予想を上方修正、全社売上高が56億円に達する見通しを明らかにした。




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