2021.08.17

楽天、中間期の国内EC流通総額17%増 コロナ初期上回る実績、グループシナジーに手応え

戦略を語る三木谷浩史社長

楽天グループ(楽天)の2021年1-6月期(中間期)の国内EC流通総額は、前年同期比17.0%増の2兆2777億円だった。2021年4‐6月期(純第2四半期)における、物販を中心としたショッピングEC流通総額は同3.2%増になった。コロナ禍に入り、EC利用が急拡大した前年同期を上回る実績を上げている。



2020年春の新型コロナウイルスの感染拡大からユーザーの定着率が安定して伸びている。2021年1‐3月に「楽天市場」で購入したユーザーが、同4‐6月に購入した割合は約76%にのぼる。2021年6月におけるロイヤルユーザー(3年間で36回以上購買しているユーザー)の割合は、2020年6月と比べて12.5ポイント増になっている。



「楽天市場」とそのほかのECサービスとのクロスユース(併用)ユーザーが拡大している。純第2四半期のクロスユースユーザー数はフリマアプリ「ラクマ」で同63.6%増、「Rakuten Fashion(ラクテンファッション)」で同30.9%増、「楽天西友ネットスーパー」で同12.9%増になった。



「楽天エコシステムはECを中心にクレジットカード、銀行、ポイントプログラム、ペイメントなどと融合されていて、スタンドアローンで勝負しているわけではない。さらにバランスよく地方に密着し、丁寧に店舗のサポートしていることや、送料の標準化の促進、AI,コミュニティの活用、グループとのシナジーとが複合的に合わさって伸びている」(三木谷浩史社長)と語る。

送料込みラインの導入店舗は、2021年6月末時点で全体の約90%になった。楽天の物流代行サービス「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」の2021年6月末時点における利用店舗数は同79.0%増、出荷量は同72.9%増と拡大している。



「楽天の最大のボトルネックは配送だった。配送が各店舗バラバラで、料金もバラバラ。それが今は3980円の送料込み(無料)ラインを導入し、お客さまに浸透してきている」(同)と話す。

ユーザーの利便性向上施策が奏功し、「楽天市場」の2021年6月時点のNPS(推奨意向)は、2020年1月と比較して9.0ポイント向上している。

楽天モバイルとのシナジー効果も発揮している。

「楽天モバイル契約者と『楽天市場』のシナジーを見ると、62.9%の契約者が『楽天市場』を利用している。それに対して、他社の場合は高くて26.7%に留まっている」(同)と話す。



楽天は今期も国内ECの流通総額の2桁増収を見込んでいる。「2021年度の国内EC流通総額は5兆円を目指している」(同)と話す。



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