2021.08.06

【コロナ禍の成長企業分析】ストリーム、通販売上高25.4%増 テレワーク需要の商機つかむ

家電ECを手掛けるストリームの2021年1月期におけるEC売上高は、前期比25.4%増の262億600万円だった。巣ごもり消費やテレワーク需要の拡大を追い風に、生活家電やPCを中心に売上高を伸ばした。

コロナ禍の中、年間を通じて好調が続いた。「商品ニーズが大きく変動する中、在庫の確保と自社の物流基盤により、1年間安定した商品提供を行えたことが成長の要因」(広報)と振り返る。

商材ごとの売上高では、「家電」が同42.3%増の154億7900万円、「PC」が同38.9%増の30億8500万円と、それぞれ大きな伸びを見せた。

「リモートワークに必要となるPC・タブレットに加えて、無線LANルーターやマウス、キーボードといった周辺機器も大きく伸長した」(同)と言う。テレワーク機器の好調は足元でも続いているという。

設置が伴う大型家電の配送や、サイト内でのチャットを用いた接客など、サイト内サービスの拡充もユーザー数の増加につながっている。

利便性向上の観点から対応する決済手段も拡張している。2020年9月には、自社ECサイト「ecカレント」「イーベスト」にそれぞれ「PayPay(ペイペイ)」決済を導入した。「導入以降、多くのお客さまにご利用いただいている」(同)と手応えを示す。

2020年は物販EC以外の分野でも事業の幅を広げた1年だった。2020年4月には、スマホアプリを主体とした家電レンタルサービス「Rentoco(レントコ)」を開始。同社のECノウハウや在庫基盤を活用し、季節家電や高額商品などをレンタルで提供する。


家電レンタルサービス「Rentoco」

レンタル事業を通じて若年層など、新たなユーザー層の獲得を図っている。ECサイトとの動線整備など、各サービス間での連携も強めていく計画だ。

「シェアリングエコノミーの市場規模が拡大していく中、早期にサービスを確立し、マーケットシェアを構築していく」(齊藤勝久代表取締役社長)と狙いを話す。

レンタル事業開始の背景には、「リユース」活動推進によるSDGs実施強化の側面もあるという。

2020年7月には、自社ブランド「enas(イーネーズ)」を本格始動し、初の商品となる高機能CDプレーヤーを販売開始した。今後も商品開発を続け自社ECを中心に展開していく。


高機能CDプレーヤー「enas」

自社の物流センターを活用した3PL事業も業績を伸ばしている。「EC事業者による事業支援」を前面に打ち出し、物流だけでなくEC事業で発生するさまざまな課題の解決を一気通貫で支援していく。

こうした独自性のあるサービス・商品の創出が、競争が過熱する家電通販・EC市場においてストリームの新たな武器となりつつある。



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