2021.08.06

【2021年夏版】「通販売上高ランキングTOP509」発表 会員限定でTOP100をウェブ公開


「日本ネット経済新聞」の姉妹紙「日本流通産業新聞」2021年8月に集計した「通販売上高ランキング〈夏季〉」によると、上位509社の合計売上高は10兆2146億1200万円だった。今回のランキングはコロナ禍の消費トレンドを反映したものとなっている。1位のアマゾン(日本事業)は、ECモールも展開しており、新規ユーザーの獲得、リピート購入者の拡大により、さらに成長が加速している。巣ごもり需要拡大の恩恵を受けた家電やインテリア、食品関連の企業は大幅な増収が目立っている。BtoBやファッション、健康食品関連の企業の中には減収に陥るケースもあった。



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1位のアマゾン(日本事業)の売上高は、米アマゾン・ドットコムの2020年12月期における日本事業の売上高204億6100万ドルに対して、2020年の平均為替レート(1ドル=105.82円)で円換算して掲載した。マーケットプレイス出品手数料や、有料会員サービスの年会費、各種ウェブサービスの売上高を含んでいる。

「Amazon」や「楽天市場」などのECモールは、コロナ禍で新規ユーザーの獲得に成功した。楽天グループの2020年12月期における国内EC流通総額は、前期比19.9%増の4兆5000億円だった。「楽天市場」のみの流通総額は開示していないが、おそらく同30~40%の増加になっているだろう。

巣ごもりが続く中、初めてECを利用するユーザーや、久しぶりにECを利用するユーザーの多くが、ECモールを利用している。


おうち消費の拡大が顕著


商材別では「おうち時間」を充実させる商品の購入が加速した。

家電の売上高ではヨドバシカメラが同60.3%増、ビックカメラは同37.0%増、上新電機は同25.5%増、ストリームは同25.4%増と高い伸びを示している。

特別定額給付金の支給なども高額商品の購入を後押しし、大型家電や美容家電など単価の高い商品の購入が促進した。

インテリア関連企業の売り上げも伸びている。ニトリは同59.2%増、ベガコーポレーションは同42.3%増、タンスのゲンは同19.8%増と拡大している。「おうち時間」が長引く中、家の中で快適に過ごすために家具を買い替えたり、リモートワークに対応した部屋に改装したりするニーズが拡大した。

通販で食品を購入し、「おうち時間」を充実させる消費も顕著だった。ミールキットなどが人気のオイシックス・ラ・大地は同40.9%増、食品宅配事業を展開する日本生活協同組合連合会は同19.9%増になった。食品を中心に会員向け通販を展開するオールアバウトライフマーケティングは、同93.8%増と急拡大している。


BtoB、ファッションは明暗


BtoB関連企業はリモートワークの拡大などにより、オフィス用品需要が減少した。最大手となるアスクルの2021年5月期決算では、上半期BtoB事業の売り上げが減少傾向にあったが、一般消費者向けの販売を促進し、同4.9%増で着地している。

大塚商会は同1.9%減、カウネットは同7.4%減になった。

ファッション関連企業は明暗が分かれた。通販専業企業は、コロナ禍でファッションアイテムのニーズが減少したことで、売り上げが減少しているケースもある。

リアル店舗中心のファッション関連企業は、オムニチャネル展開が進んでいる企業ほど、リアル店舗の顧客をECに誘導することに成功し、大幅に増収している。ユニクロは同29.3%増、アダストリアは同23.4%増、ベイクルーズは同29.0%増になった。

健康食品や化粧品関連企業も業績はまちまちだった。

化粧品や健康食品は商材によって需要にばらつきがあったようだ。広告表示に対する規制強化の影響も出ている。ネット広告だけでなくインフォマーシャル、新聞広告など幅広いチャネルで販促を展開し、予算を最適化できていた企業は成長できているようだ。

コロナ禍で加速した消費意識の変化をつかむことができれば、アフターコロナの飛躍につながるだろう。

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