2021.07.28

物流ロボットと自動化が未来のEコマースを再構築【「オートストア・システム 鴨弘司社長」連載第2回】

【連載】「Eコマース市場の成長はブリック&モルタル(従来型の店舗販売)との融合で」第2回

ショッピングエクスペリエンス(購買体験)は過去数年の間に、オンラインとデジタルのタッチポイントへと劇的に移行しました。Eコマースは、世界中で製品を展開するブランドにとって、注力すべき唯一の重要な要素となりつつあります。

その結果、Eコマースに関連する個々の施設は、よりマクロなレベルで活用されており、小売業界での重要性が増しています。

しかし、小売業界が維持しなければならないのは、店舗でのショッピングエクスペリエンスの進化です。顧客の中には、店頭で商品に「触れ」、「試着し」、「ブランドと対話する」といった、個人的なショッピングエクスペリエンスを大事にする人たちが必ず存在します。

多くの消費者は、店頭よりもオンラインショッピングを好む傾向がありますが、お客さまに店頭まで足を運んでいただくことは、より大きな買い物につながります。フォーブス誌によると、実店舗を訪れた買い物客の71%が50ドル以上の買い物をしています。

小売業界は、究極のショッピングエクスペリエンスを提供するために、Eコマースと実店舗との融合を検討する必要があります。

Eコマースと実店舗の融合にはいくつかの方法があり、すでに実施されているものもあります。

 

①オンラインで購入して、店舗で受け取る


最近では、BOPIS(Buy Online, Pick Up In Store)がトレンドとなっています。また、一部のブランドでは、「Buy Online, Return In Store(オンラインで購入し、店舗で返品する)」というサービスも提供されています。このモデルでは、実店舗がリテールエクスペリエンスの「ハブ」となり、お客さまが返品を処理するための場所として利用されます。

これにより、ブランドは店舗への来客数を維持しつつ、お客さまの利便性を高めることができます。お客さまが実店舗に来店する必要性を排除することにより、返品される商品の品質を向上させることもできます
 

②店頭でのユニークなエクスペリエンス


買い物客がシンプルなライフスタイルや、便利かつスピーディーなサービスを求めている限り、小売店がすぐになくなることはありません。多くの場合、お客さまは店舗を訪れたら、すぐに入ってすぐに出たいと思っています。ショッピングモールに行って "遊ぶ "という時代は終わりました。

未来の小売店は、新しくてユニークなショッピングエクスペリエンスを提供するものでなくてはなりません。 

店内のレイアウトには、通路や洋服棚といった伝統的なものに加えて、新しいデジタルエクスペリエンスを導入することも可能です。

3Dプロジェクターやスマートミラー、Mixed Reality(複合現実)などの新しいテクノロジーを使って、お客さまに服を試着してもらうことができます。実店舗では、現在のEコマースには実現できていない、真にユニークなショッピングエクスペリエンスの提供が可能なのです。

IBMとNRFの調査では、アンケートの回答者は圧倒的に、「自分のライフスタイルに合った品ぞろえの店を求めている」と回答しています。しかし、買い物客の90%は、新しいショッピングテクノロジーを認知しており、それらを試してみたいと考えているのです。71%の回答者が、視覚的手段による検索をすでに使用しているか、試してみたいと考えています。それに続く69%が、音声検索サービスを、すでに使用しているか、もしくは試してみたいと考えています。

IT調査会社大手のGartner Groupは、「新しいテクノロジーをいち早く採用したブランドが、Eコマースの売り上げを30%増加させる」と予測しています。

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