2021.07.15

【「東京五輪」首都圏交通規制迫る】通販企業への影響は?楽天は「翌日配送見直し」も要請

五輪会場近くで配送遅延の可能性

東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う、首都圏の交通規制が間もなく開始される。通販・ECの商品配送においても、遅延が懸念されている。ヤマト運輸などの物流大手各社は7月上旬、東京や各競技会場を中心とした地域で配送に遅延が生じるおそれがある旨を発表。楽天グループ(楽天)は7月6日、出店者向けに、状況に応じて翌日配送サービス「あす楽」設定の見直しを検討するよう要請した。生鮮品を扱うEC企業では、オリンピック開催期間中限定で、一部の常温商品を、クール便で発送する特例対応を行うという。


無観客開催で影響不透明

大手物流各社はこのほど、7月下旬から9月上旬にかけて、東京オリンピック・パラリンピックの各競技会場周辺で、荷物の配送に影響が出る可能性があるなどと発表した。各社が発表した後に、五輪の無観客での開催が発表されており、配送遅延がどの程度発生するのか、不透明な状況となっている。
 
楽天は7月6日、出店者向けのニュースで、①配送委託先の担当者配送状況を確認する ②状況に応じて、翌日配送サービス「あす楽」の設定を確認し見直す ③注文処理や出荷が通常から変更がある場合、商品ページの「重要なお知らせ」にその旨記載する――ことなどを促した。楽天は、楽天市場のアプリなどを通して、消費者に対しても、遅延が生じる可能性がある旨の注意喚起を行っている。

アマゾンジャパンでは、デリバリープロバイダやAmazonフレックスといった自社物流サービスの配送遅延への対策について、「検討中」としている。


クール便で桃運ぶ

配送遅延の影響を受けるのが、生鮮食品を扱うEC企業だ。
サクランボなどのフルーツのECを運営する竹城青果では、「桃などの商品は通常常温で配送するが、東京からの注文分については期間中全て、クール便に切り替えて配送することに決めた。価格は据え置き、クール便のコストは自社で引き受けることにした」(久我圭司代表取締役)と言う。


竹城青果は桃の配送をクール便に切り替える

海産物のECを運営するレブニーズでは、「商品ページで事前に配送遅延の可能性についてお知らせする。注文・発送・到着などのタイミングで、細かくお客さまに情報が届くよう、コミュニケーションの頻度を高める」(同社)としている。
 
健康食品通販のキューサイでは、「お客さまからの電話での問い合わせに十分に応えられるよう、社内とコールセンターの両方に、状況の周知徹底を図る」(広報課)としている。



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