2021.06.15

【いつも 太田氏に販路DXサービス『ハンロー』の魅力を聞く】メーカーが卸すことで売上拡大とブランド力向上を実現

いつも ブランド直販グループ 太田章仁グループマネージャー


ECマーケティング支援・運営代行大手のいつもは今年3月、販路DXサービス「ハンロー」の本格提供を開始した。メーカーのECモールでの販路開拓を支援するサービスで、商品を卸すことで、ブランド力の向上にも寄与するという。サービス内容や本格提供の背景について、いつものブランド直販グループ・太田章仁グループマネージャーに聞いた。


――「ハンロー」とはどんなサービスか?

メーカーに代わり、当社がECモール上にそのブランド商品のみを販売する特約店を構え、売り上げ拡大に貢献するサービスだ。メーカーは当社に商品を卸すことで、ECモールへの出店やページ作成、マーケティング、サイト運営、商品の保管・発送、顧客対応まですべて当社で行う。メーカーと連携して販売を行うため、ブランドの魅力をしっかりと訴求したり、値崩れを起こさないように価格をコントロールしたり、ファンを増やすためのサービスにも注力したりしている。

――サービス提供の背景は?

ECモールがオンラインの販売チャネルの7割くらいのシェアを占めているが、多くのメーカーのECモール出店がなかなか進まない状況があった。その要因は大きく3つある。

1つ目は「モール出店・販売による懸念」だ。メーカーの中にはECモールは「安売り」のイメージをまだ持っているところもある。卸先である小売店が出店しており、そことのバッティングを気にするメーカーも多い。

2つ目は「システムの制限」だ。サプライチェーンの仕組みが出来上がっている大手企業や外資企業の場合、自らBtoCを始める際に大規模な基幹システムの改修が必要になる場合がある。ある取引先では、2億円の改修費がかかると言っていた。そこまで出なくとも数千万円のコストがかかるケースがある。

3つ目は「社内規定の制限」だ。例えば「楽天市場」に出店するには、「楽天銀行」の口座を開設する必要があったり、「Amazon」に出品するにはクレジットカードの登録が必要だったりする。例えば外資企業の場合、日本支社で勝手に銀行口座を作れないケースもある。BtoCで販売するにあたり、顧客の個人情報を自社で管理しなくてはいけないという点がネックになることもある。

ECモールの存在感が高まる一方で、メーカーが自ら販売できない状況を打開するサービスとして、「ハンロー」の本格提供を開始した。

――小売店を通してモール販売できていれば、それでいいのではないか?

小売店がモールで販売する場合、価格訴求で売られてしまったり、ブランドAの販売ページでブランドBのバナーを表示したり、ブランドAの購入者にブランドBの購入を促すメールを送ったりするようなことが生じる。小売店はブランドAのみを販売することに注力しているわけではなく、売り上げを最大化することを目的にしているので、仕方ない。

梱包もそのブランドのために専用の箱を用意したり、専用の同梱物を入れたりしてはくれない。ブランドAを購入したユーザーが梱包などに不満を持ち、低評価のレビューを書くと、そのレビューはブランドAへの評価のように表示される。そもそも小売店はブランドAのためだけにレビューを集めてくれたりはしない。

小売店ではできないブランドを守りながら、ネットでの販売促進を図る売り方を「ハンロー」ではできる。

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