2021.06.09

ヤフー、約1億7千万件の広告素材を非承認に 最も多い理由は「最上級表示、No.1表示」

ヤフーは6月8日、広告サービス品質向上のための審査実績をまとめた2020年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開した。2020年度は約1億7千万件の広告素材を、自社の基準に抵触する素材として非承認にした。広告素材とは、広告販売ルールに抵触した広告のタイトルや説明文、画像、リンク先のウェブサイト、キーワードなどの各非承認数を合計した件数。広告単体の件数ではないという。

ヤフーの広告審査では、広告単位の対応だけでなく、違反表現を繰り返したり、大量の非承認広告の入稿を行ったりする広告アカウント自体の停止措置を行っており、2020年度には5215件のアカウントを停止した。これにより、非承認となる広告素材を入稿する広告主が減少したため、2019年度よりも非承認数が減少した。



レポートでは、広告主や広告会社、広告配信パートナーに、広告サービスを安心して利用いただくことを目的に2019年度から公開を開始し、2020年度上半期に次ぐ今回で3回目となる。ヤフーの広告掲載基準では、「最上級表示、No.1表示」をする際は、1年以内の調査データで実証されている場合のみ掲載を認めているが、2020年度はその基準に抵触する広告素材が最も多くあった。



虚偽・誇大広告については、東京都でも厳しく監視している。特に健康食品や化粧品の広告において、誇大な効果をうたう表示が多くあり、その中には「満足度第1位」や「人気No.1」など、客観的に実証されていない優良誤認のおそれがある事例もあった。そのため、東京都からは、関連の業界団体やインターネット関係事業者に対し、客観的な事実を確認した上で広告・表示を行うことや景品表示法および関係法令の遵守についてより一層の周知を図るよう要望が出されている。

ヤフーは広告品質の向上を目的にユーザーからの意見に基づいた新たな取り組みも行っている。2021年1月に、ユーザーに不快感や嫌悪感を与えるおそれのある表現が掲載された広告に対して、広告の入稿数やユーザーからの意見数など複数の要素を加味して算出し、一定の閾値を設け、それを超えた広告の掲載を停止することを周知した。

ヤフーは以前より広告配信面(広告掲載メディア)においても厳正に審査しており、2018年10月にアドフラウド(広告詐欺)への対策を強化し、約5900件の広告配信を停止した。また2019年5月には、独自の“広告品質における3つの価値と6つの対策項目(広告品質のダイヤモンド)”を定義するなど、さまざまな取り組みを実施している。





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