【音楽ライブのグッズEC販売戦略】
4月末に発令された緊急事態宣言は、音楽ライブなどのリアルイベントの開催に大きな影響を与えている。イベントをオンライン配信に切り替えるケースが増える中、グッズのECを強化し、収益の確保を図る企業も増加している。グッズの開発にもコロナ禍の影響が出ている。ヒップホップアーティストのCreepy Nuts(クリーピーナッツ)のイベントグッズの開発の際には、イベントが開催できなくなる可能性も考慮し、終了後も販売できるような普遍的なデザインを採用したという。ブシロードでは、「BanGDream!(バンドリ!)」のオンラインイベント開催にあたって、イベント前に売る商品と、イベント後に発売する商品を明確に区分。全く異なる販売戦略を採ったことが好調な販売につながったとしている。
【CONTENTS】
①<ニッポン放送>「宣言」対策で普遍的デザイン Creepy NutsのグッズEC②<やついフェス>グッズ提供CFで資金調達 エビ中、でんぱ組など多数出演③<ブシロード>「バンドリ!」配信前後に新商品 発売タイミング工夫し販売拡大④<SKIYAKI>ファンメディアの運用を一括代行 ROTTENGRAFFTYで導入
<ニッポン放送>「宣言」対策で普遍的デザイン Creepy NutsのグッズEC
ニッポン放送ではこのほど、ラジオ番組「オールナイトニッポン0」のイベントに合わせて、ヒップホップアーティストのCreepy Nutsがプロデュースしたイベントグッズの販売を、ECで開始した。イベントは緊急事態宣言直前の4月24日に開催された。ECで販売するグッズの開発に当たっては、宣言でイベントが開催できなくなる可能性も踏まえ、いつでも販売できる、普遍的なデザインを採用したという。
Creepy Nutsがプロデュースしたイベントのグッズは、スマホリングのほか、ロングTシャツや折り畳み傘など7品目。メンバーのDJ松永が、商品コンセプトの設計やデザイナーの選定を行ったという。スマホリングについては、2週間足らずの販売期間で、数千個が売れたとしている。
4月に開催されたCreepy Nutsのイベントのグッズ
ニッポン放送によると、コロナ以降、芸人のナインティナインや三四郎、YouTuberの水溜りボンドといった、ラジオ番組のMCのイベントが多く中止になったという。「Creepy Nutsのイベントも宣言の開始日によっては中止になる可能性があった。仮に中止になっても、ECで販売できるよう、普遍性のあるデザインを採用した」(エンターテイメント開発部 石井玄プロデューサー)と話している。
グッズのECサイトは現在休止しているが、夏から秋にかけて、商品を追加して再販する計画があるという。DJ松永の発案に基づき、1万5000円前後の実用性の高いリュックを開発することなどを検討しているという。
グッズのメインビジュアル