2021.05.10

ケーキ通販サイト運営のCake.jp、7.7億円を調達 マーケティング、商品開発、プロダクト開発に充当

写真中央がCake.jpの高橋優貴代表

ケーキ専門通販サイト「Cake.jp(ケーキジェーピー)」を運営するCake.jpは5月10日、ニッセイ・キャピタル、丸井グループ、博報堂DYベンチャーズ、三菱UFJキャピタルを引受先とする7.7億円の第三者割当増額を実施したと発表した。調達した資金をマーケティング、商品開発、プロダクト開発の分野において活用し、スイーツD2C事業「Cake.jp Program」のさらなる事業拡大を目指す。

「Cake.jp」は、「感動が集まる場所をもっとハッピーに!」をコンセプトに、特別な日の感動体験や、常のちょっとした幸せ体験を届けすることをミッションとして2017年1月よりサービスを開始。全国各地の洋菓子店と提携し、自宅はもちろん、レストランや宿泊先、結婚式場等、どこへでも好きなケーキを配達する。4000種類以上の商品をラインナップし、デザイン性の高いケーキやオーダーメイドケーキが手軽に注文できるという特長も持つ。コロナ禍のEC需要の高まりもあり、個人会員数は2021年4月に70万人突破。2020年4月の30万人から大きく増加した。加盟店もこの1年で4倍増の1000店舗以上となり、ケーキ・スイーツ市場で国内最大級のプラットフォームサイトとして展開している。

Cake.jpでは、これまで洋菓子店向けの受発注システムの提供に加え、独自の梱包技術開発やカスタマーサポートを強化し、プラットフォームの拡充に努めてきた。2017年1月には、東京の平和島に自社工場を構え、自社商品の製造だけでなく、洋菓子店のオンライン販売の課題である品質保持のための実験や、宅配に最適化されたスイーツの開発などを行っている。この成果を加盟洋菓子店に宅配冷凍スイーツのノウハウとして提供し、宅配スイーツ市場の拡大に努めてきた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、外出自粛期間中に自宅でお取り寄せスイーツを楽しむ機会が増えたことで、オンラインでスイーツを購入する人が急増し、洋菓子店のオンライン販売需要も拡大。消費者のニーズは多様化し、リアル店舗では求めることができない商品への訴求が高まっているという。同時にリアル店舗、ECサイトともに多数の店舗が存在し、消費者は多くの選択肢から、どこで・何を購入するかを選ぶことが可能となっている。

こうした状況のなか、2021年4月には、スイーツファンから支持されている実力派のトップパティシエとコラボし、ハイクオリティなスイーツを開発、自社工場で生産して販売するスイーツD2C事業「Cake.jp Program」をスタート。選ばれるための商品や作り手のストーリーを重要視した取り組みと言えるとし、この機会に更なる事業拡大を目指し、今回調達した資金をマーケティング、商品開発、プロダクト開発の分野において活用するとしている。

今後は、引き続き自社工場の稼働率向上や洋菓子ブランドのM&A、オリジナルスイーツの開発、「Cake.jp Program」に取り組むとともに、加盟店舗の売上向上機能の強化と主体的に売上アップを図れる環境づくりとして、SaaSサービスの推進に特に注力していくとしている。「どんなケーキが売れるのかわからない」「集客したいけれど何をすればいいかわからない」「原材料の仕入れ価格を下げたい」「オリジナル資材が欲しい」「資金繰りが大変」「製造キャパが足りない」「新食品衛生法に準拠した商品企画書を作成したい」といった洋菓子店が抱えるさまざまな課題に対し、原材料の共同仕入れの仕組み、「Cake.jp」内での広告枠の提供、販売データの提供によるトレンド把握、製造キャパシティが足りない店舗と余裕がある店舗のマッチングサービスの提供などの解決案を整備していく考えを示した。

さらに今回の資金調達の引受先企業である丸井グループとは、オンラインだけでなく、オフラインで体験ができる場所作りの連携を進める。都心部にリアル店舗を構える丸井グループと取り組むことで、冷凍スイーツやスイーツEC文化の世界観を伝えていく。今後もさまざまな取り組みで宅配ケーキの市場拡大を図り、スイーツを通じて全ての方にハッピーを提供し、ひとに優しい社会の実現を目指すとしている。

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