凸版印刷は3月22日、「IoA仮想テレポーテーション」技術を活用し、バーチャルとリアルを融合した新しい買い物体験を提供するサービス「IoA Shopping」の実証実験を開始した。2021年度中のサービス開始に先駆け、「IoA Shopping」の遠隔ショッピングにおける有用性を検証する。
凸版印刷は、米国のb8ta,Incへの出資を通じて、新たに設立されたベータ・ジャパン（b8ta Japan）と2020年より協業し、「b8ta Tokyo - Yurakucho」（有楽町電気ビル内1階）への出展や「サービスとしての小売り（RaaS：リテール・アズ・ア・サービス）」の日本市場拡大を推進している。また、2016年より東京大学大学院情報学環 暦本研究室と共同で、遠隔体験技術「IoA仮想テレポーテーション」の研究・開発を行っている。このほど開発した「IoA Shopping」は、「IoA仮想テレポーテーション」技術を活用し、バーチャルとリアルを融合した新しい買い物体験を提供するサービス。
「IoA Shopping」では、利用者がスマートフォンからバーチャル空間上に構築した店舗にアクセスし、買い物することができるほか、実際の店舗に設置したアバターロボットにボタン1つでアクセスすることが可能。 遠隔地から、「バーチャル店舗」と「リアル店舗」を行き来してショッピングすることができる点が大きな特徴となる。バーチャル店舗ではアバターを、リアル店舗ではアバターロボットを用いることで、どちらの空間でもウィンドウショッピングのようにモノとの偶然の出会いが体験できる。
2021年度中の提供開始予定に先立ち、今回開始した実証実験は「IoA Shopping」の遠隔ショッピングにおける有用性の検証と、将来的な店舗接客業務の効率化、情報提供の最適化手法を検討を目的としたもので、バーチャル空間上に「b8ta Tokyo - Yurakucho」を構築し、「Virtual b8ta」として実験を行う。また、有楽町電気ビル内の「b8ta Tokyo - Yurakucho」にアバターロボットを設置し、実験期間中「b8ta Tokyo - Yurakucho」では実際に「IoA Shopping」を体験することができる。実験期間は、3月22日～3月24日。
「IoA Shopping」は、アバターとアバターロボットの利用により、「バーチャル店舗」と「リアル店舗」を行き来してショッピングができるほか、バーチャル空間に複数人が同時に接続し、それぞれのアバターで空間を移動することも可能。空間内にいる人と音声で会話でき、商品が気に入った時は感情表現ができるエモート機能も実装しており、家族や友人とグループでショッピングをすることができる。
「バーチャル店舗」と「リアル店舗」を行き来できる
複数人が同時接続し、アバターで空間を移動することも可能バーチャル空間から、リアル店舗にいる店員とのビデオ通話機能も備えており、スマートフォンにバーチャル空間とリアル空間の2画面を表示し、リアル空間のウィンドウで店員が商品の紹介などを行うことで、遠隔地からでもリアルタイムに接客を受けることができる。
その他、3D化された商品をさまざまな角度から確認でき、バーチャル体験を選択することで商品に合った使い方が表示され、店舗では体験できない商品でも実際に使用するイメージができる機能、店舗に設置しているAIカメラで人やロボットの位置を把握し、バーチャル空間上へリアルタイムに位置情報を反映し、どの商品に人が集まっているかや、店員に呼びかけるリアルショッピングさながらの体験を可能にする機能などを備えている。
商品をバーチャル体験できる
AIカメラでリアル店舗の人やロボットを検知してバーチャルに反映昨今、ECサイトで買い物をする人が増えているが、友人や家族と一緒に物を選んだり、店員に詳細を聞いたりなどのコミュニケーションを取ることができず、満足のいく買い物体験ができていないことが課題となっている。こうした課題に対応するため「IoA仮想テレポーテーション」技術を活用し、バーチャルとリアルを組み合わせた新たな買い物体験を実現するサービス「IoA Shopping」の開発に至ったとしている。
