2021.03.10

「ぶっちゃけShopifyってどう?」Shopifyアプリでヒット飛ばすハックルベリー安藤CEOに聞く

ハックルベリー 安藤祐輔CEO


ハックルベリーは2月24日、「Shopify」が公式提供する定期購買APIに対応した日本初のShopifyアプリ「定期購買」をリリースした。10日間で100件以上インストールされ、出足好調た。「定期購買アプリ」を含め、これまで8つの「Shopify」アプリを提供し、利用店舗数は加速度的に伸びているという。ハックルベリーの安藤祐輔CEOは、ウェブ接客ツール「Flipdesk(フリップデスク)」を開発したSocket(2015年にKDDIグループに売却)の創業者であり、かつては日用品EC大手のケンコーコム(現在は楽天に吸収)で働いていた経験もある。EC業界での実績豊富な安藤CEOに、「Shopify」の強みや弱み、「Shopify」アプリ開発を手掛けるようになった経緯などを聞いた。



「Shopify」2つの大きなメリット


――「Shopify」の実力をどう見ているのか?

私はもともと、ケンコーコムにいた経験もあるので、EC事業者目線での「Shopify」のメリットは大きく言って2つあると思う。1つはサーバーの強さ。「サーバーが落ちない」というのはシンプルだが、かなり重要な要素だ。これが、どんな機能より勝ると考える事業者もいるだろう。

例えばテレビで自社商品が取り上げられるときに、国内のカートを利用している場合は、担当者に電話やメールで連絡し、増強を依頼する必要がある。「Shopify」は準備しておく必要がない。急なアクセス集中でも大丈夫だ。

近年、マーケティングは多様化しており、不意にマスメディアに取り上げられたり、インフルエンサーからの導線で急に売れだしたりすることがある。サーバーは大きければ大きいほどいい。しかも柔軟でサーバー課金がない点も魅力的だと思う。

2つ目のメリットはアプリ。「Shopify」には外部企業が自由に「Shopify」利用店舗向けのアプリ(機能)を開発・提供できる仕組みがある。店舗が自由にアプリの付け外しができる点は魅力。月商500万円と月商1億円のEC企業では必要とする機能が違う。事業規模拡大に合わせて、追加開発し続けると、システムが重くなり、表示スピードは遅くなる。機能が足りなくなってシステム自体を変えるコストも馬鹿にならない。

ノーコードでアプリをインストールして、機能を追加できるのは手軽でいい。日本のローカル向けのアプリが少ない点がネックだったが、われわれも含めて、日本向けアプリの開発が進んでいる。われわれがアプリを開発し始めた2020年春頃は20くらいだったが、現在では80以上ある。ここ数カ月でぐっと増えている。

――日本のEC事業者に合わせたアプリも出そろってきたという感じか?

「出そろってきているか」と聞かれるとまだまだ。というのも日本の企業は、運用にシステムを合わせる思想を持っているところが多い。だからこそ受託開発会社が発展している。例えば配送一つとっても、「関東向けはヤマト運輸で、関西向けは佐川急便、離島は日本郵便を使っていて、全部に対応できないと困る」みたいなケースがある。

個別化された多様なオペレーションに対応できるほどのアプリが出そろっているかというとそうではないということ。そもそもオペレーションにシステムを合わせていく思想で、この国のEコマースはいいのか、という問題提起はあるべきだと思う。

ただ、現状を考えると国内の大手カートの方が、日本企業のやり方に合わせた機能の網羅性はあると思う。

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