球春到来。田中将大投手の日本球界復帰や、2年ぶりとなる3月開幕を間近に控えたプロ野球。激しいペナントレースの開幕を前に、グッズ販売を主とした各球団のEC(ネット通販)も盛り上がりを見せている。ウィズコロナを見越した今シーズンは、選手やチームを身近に感じられる「おうち観戦グッズ」などの日用品や、球場内への応援メッセージ掲出など、体験型コンテンツの提供が目立っている。パシフィック・リーグ各球団による、自社ECサイトでの取り組みをまとめた。ファンビジネスのプロである6チームから、EC事業者が学べる点も多くあるはずだ。
【CONTENTS】<サイト内企画>試合結果や球場と連動 リアル体験をECで再現<イチオシ商品 ①>トレンドは「選手参加型」 個性生かしたアイテムが人気<イチオシ商品 ②>マスク・おうち商品拡充 「新しい“応援”様式」に対応<サイト運用>「ホークス」は即日配送 送料・配送対応は千差万別 <サイト内企画> 試合結果や球場と連動 リアル体験をECで再現2021年のシーズンも、球場での観戦や応援の制限が続くことが予想される。減少するオフラインの場での体験を補うため、各球団は単純なグッズ販売にとどまらないコンテンツをECサイト上で提供している。
ファイターズは3月1日、シーズン開幕に合わせた応援企画「ファンカラ!」を開始した。ECサイトと公式実店舗で税込5500円を購入したユーザーを対象に、チームや選手への応援メッセージを受け付ける。
メッセージは、ファイターズの本拠地である札幌ドーム内の選手用通路に掲載。選手の目に入る形で自身の応援を届けられる。利用者には後日、選手からの限定メッセージ動画も届ける。
グッズ購入者のメッセージを掲出「コロナ禍でどうしても来場できないようなファンの声を、どのように選手に届けられるかを考え、実現した応援企画」(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント事業統轄本部コンシューマー・マーケティング部マーチャンダイジンググループ 斉藤純哉チーフ)と言う。
ホークスは、シーズン時の各試合で活躍した選手のTシャツを、試合終了後から翌日12時までの時間限定で販売する商品販売企画を20年から実施している。
ヒーローのTシャツを試合当日から販売その試合の、ヒーローに選ばれた選手をデザインしたTシャツを「Today’s HERO Tシャツ」として販売。商品は注文から1週間以内にユーザーの手元に届ける。「勝利の高揚感もあり、販売も好結果を呼んでいる」(ファナティクス・ジャパン Eコマース部Eコマースマネージャー 川野政貴氏)と言う。