2021.03.01

Zホールディングス、LINE統合で2025年まで国内EC1位へ ソーシャルコマース、実店舗連携、自社EC構築支援を本格化

Zホールディングス 代表取締役社長Co-CEOの川邊健太郎氏(写真左)、出澤剛氏(写真右)

5年間で5000億円を投資


Zホールディングスは3月1日、LINEとの経営統合に関する戦略説明会を開催した。根幹領域である「検索・ポータル」「広告」「メッセンジャー」に加え、「コマース」「ローカル・バーティカル」「フィンテック」「社会」の4領域に集中し、5年間で5000億円を投資すると発表した。2023年度に売上収益2兆円、営業利益2250億円を目指す。「コマース」領域では2020年代前半のうちにEC物販取扱高で国内1位を狙う。


「コマース」の戦略を語るZホールディングス 代表取締役Co-CEO 出澤剛氏

「コマース」領域でもグループ企業のヤフーやLINEの資産を活用し、さらなる成長を目指す。特に注力するのが「ソーシャルコマース」「実店舗連携(Xショッピング)」だ。


「ソーシャルコマース」と実店舗連携に注力

「ソーシャルコマース」では、ヤフーのECモールとLINEのコミュニケーション機能を活用したサービスを提供する。LINEで友だちにプレゼントを送れるようにする「ソーシャルギフト」では、「LINE上で友だちの誕生日が通知され、メッセージ上でそのままちょっとしたギフトを贈ることができる。今後はヤフーショッピングなどとの連携により、より多くの商品から選べるようにする」(Zホールディングス 代表取締役Co-CEO 出澤剛氏)と話す。

一定人数の友だちと低価格で商品を変える「共同購入」では、「気に入った商品が見つかった際にLINEで友人に購入を呼びかけ、みんなで安く購入できる。まさにLINEがあるからできるサービス」(同)と話す。インフルエンサーなどがライブ配信で商品を紹介する「ライブコマース」なども提供する予定だ。


「ソーシャルコマース」では3つの新サービスを提供する予定


実店舗とECを一括管理できるソリューション提供


実店舗連携「X(クロス)ショッピング」では、「自宅配送」や「店頭受け取り」、近くの店舗から自宅に配送してもらう「域内配送」など店舗を生かした多様な配送サービスを提供する。「自分に合った手段で最適に欲しい商品が手に入る。オンラインとオフラインを連携させることで便利でストレスのないお買い物体験を作っていく」(同)と話す。


「Xショッピング」の多様な配送手段のイメージ

出澤氏は、「さらに実店舗での購入でも一人一人の価格『ダイナミックプライシング』でお得に購入できる世界も中長期的に作っていきたい」と話した。


実店舗のダイナミックプライシング導入も計画

実店舗やECの事業者に向けては、ECモールだけでなく、実店舗や自社ECサイト、SNSを一括で運営・管理できるソリューションを提供する。


実店舗、自社EC、ECモール、SNSを一括で運営・管理できるソリューションを提供

「自社ECサイトの構築支援とプラットフォーム連携によって、一つの画面で商いの状況をトータルで把握できるソリューションを提供する。これにより事業者は煩雑な管理や運営から解放され、商品開発や買い付けといった本来の業務に集中できる」(同)と話す。

第1弾として自社ECサイトの構築・運営・分析・接客が可能なソリューションを提供する。NAVERの知見を活かした「Smart Store Project」を2021年上半期にリリースする予定だ。


自社ECサイトの構築や運営、分析、接客ができるソリューションを提供

Zホールディングはコマース以外でも決済や行政DXなど多様な領域での新たな事業戦略を紹介している。

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