2021.02.26

「Shopify」 、2020年の国内流通総額は323%増 新規出店数は228%増に

マルチチャネルコマースプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」の日本法人Shopify Japanは2月26日、2020年の「Shopify」における成長率を発表した。国内の流通総額(GMV)が前年比323%増となるなど、グローバルおよび日本市場での成長が過去最高を更新した。

「Shopify」は、世界175ヵ国で170万以上のネットショップが日々運営されているマルチチャネルコマースプラットフォーム。2020年の日本市場における流通総額(GMV)は、2019年比323%増を達成し、その成長率は他国に比べても高いとしている。新規出店数の伸び率は前年比228%増で、こちらも他のマーケットの中でも上位に位置するとしている。注目すべき国内の新規加盟店には、「BAKE The Online」「益子WEB陶器市」「オリオンビール」「タイガー魔法瓶」「タンスのゲン本店」などを挙げた。

一方、グローバルにおいては、「Shopify」を利用する事業者(マーチャント)は世界で170万以上、「Shopify Plus」を利用する事業者(マーチャント)は世界で1万以上に達した。2020年の流通総額(GMV)は、約12兆円($120Billion)で、世界中で4億5700万人近くの消費者が「Shopify」を通して商品を購入(2019年比52%増)。事業者(マーチャント)による「Shopify」での総売上高約30兆円($277Billion)となった。新規店舗は、2019年にはほぼ1分(52秒)ごとに初めての売上を上げていたのに対し、2020年には平均28秒ごとに初めての売上を上げるまでにスピードが増したとしている。アプリストア掲載のアプリ数は、6000以上となった。第4四半期の注目すべき新規加盟店には、「Dermalogica」(国際的なスキンケアブランド)、「Yamaha」(日本のオートバイブランド)、「Herman Miller」(英国の国際的な家具会社)、「Hallmark」(グリーティングカードで有名な英国企業)、「Diageo」(世界最大級のワイン・スピリッツメーカー)、「ALDI」(ディスカウント食料品チェーン)、「Purina」(ネスレの人気ドッグフードブランド)などを挙げた。

今回の発表にあたり、Shopifyの地域統括マネージングディレクター、ショーン・ブロートン氏は、「2020年は起業家精神が旺盛で、Shopify事業者(マーチャント)の目覚ましい回復力により、多くの事業者(マーチャント)がこの困難な年に立ち向かい適応することに成功しました。日本の起業家や企業は、私たちを事業や生活の基盤として信頼してくださっていると感じています。私たちは2021年も、将来を見据えたコマースソリューションを構築し、次世代に向けて支援を続けてまいります」とコメントした。

「Shopify」は昨年、楽天の販売チャネル、Shopify paymentのJCB対応、Shopify POSのリリースをはじめ、多くのプロダクトアップデートを図った。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、デジタルの導入を世界的に加速させ、生活や働き方の変化に拍車をかけている。Shopifyの調査によると、日本の消費者の49%がコロナ禍の昨年9月までの6カ月間で、「買い物が混雑する時間を避けた」と答え、46%が「この先6ヶ月も同様に行動するだろう」と回答したという。また、新型コロナウイルスの感染が拡大して以来、日本の消費者の42%が「2020年の年初と比較してオンラインでより頻繁に買い物するようになった」と回答したとし、日本の消費者が社会的な活動を抑制する一方で、オンラインでの買い物へと確実にシフトしており、日本でもECの成長を加速させている傾向が伺えるとしている。

こうした状況の中、日本の成長率は他の国に比べても群を抜いており、新規出店数も前年の2倍以上となっている。政府をはじめ、地方自治体などとの取り組みで起業家や実店舗を持っているオフライン事業者のオンライン化、Shopify POSを促進する取り組みなどが功を奏して成長に繋がったと見られるとの見解を示した。

2021年は、日本国内で要望の多かった「Shopify Plus」の専属チーム立ち上げを予定しており、事業拡大を図るD2Cブランドや、すでに多くの顧客を抱える大手ブランドが必要とするカスタマイズ性にも対応できるような体制が整うとしている。今後も引き続き、プロダクトのアップデートを通じでオフラインとオンラインの融合をすることで、事業者(マーチャント)のビジネスの成長に繋がるプラットフォームとなり、「Shopify」の日本におけるプレゼンスを強化していく考えを示した。

マルチチャネルプラットフォームのグローバルカンパニーとして、越境販売のための多言語・多通貨の特長を活かし、海外と行き来ができない今だからこそ、日本の消費者だけでなく、世界中の消費者に向けて商品を販売するための仕組みを提供していくとしている。

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