2021.01.05

【新春インタビュー】スクロール 鶴見知久社長「低重心の経営を進める」

スクロール 鶴見知久社長


スクロールの業績が順調に推移している。2020年4−9月期(中間期)の売上高は前年同期比14.3%増、営業利益は同149.6%増だった。今期の業績推移やアフターコロナにおける消費環境などを、鶴見知久社長に聞いた。


初冬媒体の結果固めの業績予想


――2020年4−9月期(中間期)は増収増益だった。要因は?

コロナウイルスの影響なくして今期の業績は語れない。多くの通販会社がコロナの影響で成長していると思うが、当社も多分に漏れず、コロナによる巣ごもり需要の影響で売上高、利益とも増加した。ただ時系列で見ると、4月は供給不足の影響があったほか、受注もそれほど伸びていなかった。5月の連休くらいから受注が増加してきた。

――4月の供給不足は、生産拠点である中国からの調達が滞ったためか?

それもあるが、その影響で一部商品の生産をASEAN(アセアン)にシフトしたとともに、アセアンもロックダウンしたことから、再度中国に戻した。コロナの影響は必ずしもいいことだけではない。グループ会社で輸入ブランド品を取り扱っているAXES(アクセス)は厳しい。コロナの影響で商品調達が厳しくなっているほか、外出自粛の影響でブランド物や化粧品の需要が低迷している。健康食品や化粧品を取り扱う健粧品事業も、店舗ルートがインバウンドの減少も絡んできて厳しい状況だ。

――10月29日に通期業績予想を上方修正した。中間期の業績を踏まえれば、やや保守的な予想という印象だが。

固めの予想は多少事情があったためだ。9月に早期展開した冬カタログの立ち上がりが、想定より厳しかったためだ。それまではコロナ特需で、前年対比20%増という数字が続いていた。しかし、9月は秋カタログの本展開と初冬の早期カタログを展開したが、早期展開の数字が悪かった。その結果、冬商戦は厳しいと予測したのが業績予想のベースとなっている。その後の営業状況を見ると、それほど厳しい数字にはならない見通しだ。

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