2020.12.11

【「SDGs」3店舗のリアル】『伝える』ことで『顧客の負』も『応援』に 楽天が啓蒙イベント開催

写真左から「横浜チョコレートのバニラビーンズ」の鈴木愛氏、「イーザッカマニアストアーズ」の浅野かおり氏、「バリューブックス」の鳥居希氏


楽天は11月24日、「楽天市場」の出店者向けに「SDGs(持続可能な開発目標)」の理解を深めるオンラインセミナーイベント「EC×SDGs 超入門!~楽天とサステナブルなお買い物を知ろう~」を開催した。イベントでは、3店舗の「SDGs」のリアルな取り組みを紹介した。表面的には顧客へ「負」を与える取り組みも、社会的な視点や店舗の思いを顧客に伝えることで、ポジティブな反応を得られていることが分かった。


<CONTENTS>
▶楽天の「SDGs」への思い
▶ショップ事例①「イーザッカマニアストアーズ」店舗の売りだった人気同梱物を廃止
▶ショップ事例②「バリューブックス楽天市場店」再販できない古本の買取量を削減
▶ショップ事例③「横浜チョコレートのバニラビーンズ」フェアトレードのチョコ販売


【楽天の「SDGs」への思い】

「SDGs」思考で店舗との関係を進化


「SDGs」とは「持続可能(サステナブル)な開発目標」という意味であり、17の大きなゴールが設定されている。環境配慮に関するものだけでなく、貧困や不平等の是正、パートナーシップや働き方をより良いものにするといったゴールも設けている。

楽天の「SDGs」オンラインセミナーには約100人の申込者があった。セミナーでは「SDGs」や消費者意識の変化を解説するとともに、楽天としての「SDGs」への取り組みや、「楽天市場」の出店者の事例などを紹介している。

楽天はサステナブルな商品を集めたモール「EARTH MALL with Rakuten(アースモール・ウィズ・ラクテン)」を展開しているが、今回のイベントはそのモールへの参加を促すことが目的ではないようだ。


「EARTH MALL with Rakuten」

楽天の執行役員コマースカンパニーCOO&ディレクター・野原彰人氏は、「『SDGs』は楽天の創業の精神と通ずるものがある。店舗さんと一緒に日本を元気にしたいという経営理念と合致すると改めて感じる。楽天が自ら行動を起こすだけでなく、5万店もの店舗さんに『SDGs』についてお伝えして、少しでもアクションに起こしていただけるように働き掛けることもプラットフォーマーの役割だと考えている」と説明した。


楽天 執行役員コマースカンパニーCOO&ディレクター 野原彰人氏

もともと、出店者であり、現在は楽天の地域創生部で活躍する小笠原航氏は、「私のミッションの一つは、楽天と店舗との関係の深化と進化。『SDGs』的な考え方で、いかに楽天と店舗さんが歩み寄りながら、お客さまに向かっていくかを再構築できればと思っている」と説明した。


楽天 地域創生部 小笠原航氏

「楽天市場」におけるサステナブルのベースになるのは、店舗と楽天の関係性だ。楽天と店舗が「SDGs」の意識を高めることで、消費者へのアピールはもちろん、楽天と店舗の関係性が未来に向けて、より良いものに進化していくビジョンがあるようだ。


ワークショップも実施


セミナーでは「SDGs」への消費者の関心の高まりや、まだ「SDGs」を意識した消費を行っている人は1割程度しかいないが、今後6割程度まで拡大する可能性があることなども解説した。

参加店舗は「SDGs」への理解を深めるとともに、自分たちができる施策についても検討したいという声が上がっていた。楽天では「SDGs」のワークショップなども実施しており、今後も店舗とともに取り組みを広めていきたい考えだ。

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