2020.11.25

【オートストアシステム 鴨社長に聞く】国内でサービス提供加速 大手40社が導入したピッキングロボット

オートストアシステムの鴨弘司社長兼ビジネスデベロップマネージャー


物流倉庫でピッキングを行うロボットストレージシステム「オートストア・システム」を提供するオートストアは、日本でのサービス展開を加速させている。これまで、国内の大手インテリアメーカーなど40社が、「オートストア・システム(以下オートストア)」を導入してきた。今後、都市圏に大規模な倉庫を保有するメーカーや3PL事業者に対する、オートストアのサービス提案を積極化していくとしている。オートストアシステムの鴨弘司社長兼ビジネスデベロップマネージャーに、オートストアを導入するメリットと、日本での展開について聞いた。



――オートストアを導入するとどんなメリットがあるのか?

倉庫の収納スペースを縮小したり、ピッキング作業の時間・コストを削減したりすることができる。採用した企業からは、「さまざまな観点からみて、倉庫内の生産効率が、導入前に比べて5倍に増加した」という声も聞かれる。 

オートストアの特徴は、「少量多品種」の商材を扱う企業の物流倉庫に適しているということだ。数千・数万種類の商品を一つの倉庫で管理している企業の場合、人間がピッキング作業をしていると、ヒューマンエラーが発生する。何よりも、商品を探すのに迷う時間が大変なロスになっている。 

「オートストア」を利用し、商品の保管位置情報を入力すると、自分の位置から商品の位置までの最短ルートを自動で算出できる。迷ったりミスが生じたりすることもない。「オートストア」を導入して、人間の作業員を半分に減らしたという企業もある。 



ロボットストレージシステム「オートストア・システム」 

ロボットを動かすシステムは、高頻度に出荷する商品を、自動でピックしやすい位置に移動させる。稼働すればするほど、ピッキングのスピードは速くなる。注文情報をシステムに入力しておけば、人間が作業を開始する時間に間に合うように、ロボットのピッキング作業を終わらせておくこともできる。 

通常の物流倉庫では、人間の作業に合わせて収納スペースの高さが決まってしまう。「オートストア」の商品を収納するスペースは、倉庫の天井の高さに合わせて、高さ5・4メートルまで積み重ねることができる。倉庫内のスペースを余すことなく、効率的に利用することができるのだ。導入企業では、倉庫のスペース効率が3倍になったという事例もある。 

これまでは、ニトリなど、大手メーカーの物流倉庫で採用されてきた。通販・EC市場は、コロナの影響もあって、大きく拡大しており、3PL事業者のニーズも高まっている。日本での「オートストア」のニーズもますます広まっていくと考えている。 
 

ソフトウェア更新で効率40%向上 


ーー新たなソフトウェアをリリースしたと聞いた。 

ノルウェーの本社はこのほど、ロボットの生産性と効率を最大40%向上させるソフトウェア「Router(ラウター)」の提供を開始した。「ラウター」は、既存のロボットの制御システムを更新するものだ。高度なアルゴリズムを備えており、格子状の収納スペースの中の、ロボットの移動ルートを、瞬時に解析することができる。同じグリッドの中で稼働する複数のロボットがルートを同時に解析することで、作業効率は何倍にもなる。 


ソフトウェア「Router」でロボットの生産性が向上

また、日本法人のオートストアシステムはこのほど、「ビジネスデベロップメント部門」「システムデザイン部門」「サービスサポート部門」を強化した。これまでは代理店である、オカムラと、ディマティック社傘下のトーヨーカネツを通じて、ノルウェーの本社が行っていたサービスを、お客さまとマーケットにより近い日本法人が請け負っていく。 

「オートストア」を新規に導入したいという日本企業に対して、スピーディーで手厚いサービス提案を行っていく。 

倉庫内に設置した格子状の収納スペースで、ロボットが自動でピッキングを行うシステム。収納スペース(グリッド)に商品在庫を保管し、位置情報を登録する。システムに注文情報などを連携させると、ロボットが上下左右に移動して、商品をピッキングする。収納スペースや作業時間の効率化が実現できる。導入した物流倉庫では、「生産性が5倍になった」という声もあるという。

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