2020.11.14

【記者コラム】休業宣告から、逆転ホームラン

これはテレビのドラマなのか、というぐらいの経験をしてきた取材先に出会いました。来週にも記事にまとめ掲載したいと思っています。

それは福井県の製造会社。コロナ禍で売上高が95%減になり、経営危機を迎えていました。2020年3月30日には、100人以上いる社員に社長が休業宣告したそうです。その翌日に実施した最後の社内ミーティングの中で、社長は「マスクを売ってみないか」と発言。管理職や幹部たちから「同じ意見です」「私もそう思っていました」などの声があがり、その場でデザインを完成させ、半日でマスクを完成させたそうです。

マスクを製造するには、いろいろな材料が必要のようで、耳にかけるゴムひもや鼻からずり落ちないように固定するためのワイヤーなどが必要です。コロナで資材が手に入らない状況の中、材料が揃っており一気に製造できたようです。

マスクができ上がると、すぐに社長自ら営業に出向き、必死に声がけしていったそうです。400枚の発注から始まり、500枚、500枚が5000枚に増え、5000枚が1万枚にと4月から販売したマスクの累計販売数は100万枚を超え、創業以来、最高売り上げを記録しました。自社ECサイトも作り、社員総出で、注文対応したそうです。

だいぶ話を端折っていますが、この話は、テレビ局からドラマ化のオファーもあったそうです。社長は取材時に「不謹慎かもしれないが、コロナで会社も従業員も私も全員が変わることができた。感謝しかない」と話していました。マスクを作ったことない会社の、まるで逆転ホームランのような話に私の涙腺も緩みました。

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