世界175カ国に販売・出荷実績があり、越境EC事情に精通するZenGroupは、2025年6月期の流通総額が前期比16.3%増の178億円となった。さまざまな越境EC事業を成功させてきた同社は、累計会員登録者数が22万人超の文房具のサブスクリプションサービス「ZenPop」を運営している。「ZenPop」はこのほど、単品購入サービスも開始した。今後は、文房具のプラットフォームとして「ZenPop」を展開していくという。「ZenPop」で海外に向けて販売する、日本の文房具の仕入れ先も募集しているそうだ。「ZenPop」を統括する、マーケティングチームリーダーのチャウ・デニス氏に話を聞いた。
会員登録者数は22万人
——「ZenPop」はどのようなサービスですか?2016年にスタートしました。毎月異なるテーマに沿って文房具を選定して届けるサブスクリプションサービスを展開しています。世界128カ国以上のユーザーへの提供実績があり、累計会員登録者数は22万人を超えています。「ZenPop」のコンセプトは、「Japanese」「Curation」「Inspiring」。使い心地やデザイン、素材のぬくもり、細やかな気配りといった、日本ならではの文房具の魅力を体感できるサービスを提供しています。
▲「ZenPop」マーケティングチームリーダー チャウ・デニス氏——人気の要因は?日本の文房具の海外のファンは多いんです。ユニークで、デザイン性も優れているのに、文房具としての品質も良い。訪日時に日本の文房具を購入する人も少なくありません。そのため、コロナ禍に入り、来日できなくなったことで、より「ZenPop」の需要が高まりました。
「ZenPop」では、海外では手に入らない商品を当社のスタッフが厳選して届けています。毎月のテーマを楽しみにしてくださる方が多く、「知らなかった文具が入っているのか」というワクワク感も好評です。
サブスクリプションボックスを開けたときに目に入るように、ポストカードを同梱しているんですが、カードは日本国内のクリエーターとコラボして制作しています。商品の情報を伝えるためのアイテムなのですが、カレンダーとしても使えるデザインにもしています。
▲文房具の定期便ボックス「ZenPop」のイメージ(「Marine Dream」がテーマの文房具)―—「ZenPop」は、2025年6月から海外向け単品販売の新サービスを開始しましたね。以前から、「単品で購入したい」という海外会員の声がありました。「日本の文房具」が好きな、海外のファンに向け、日本の良いものを適切な価格で提供したいと考え、今回1点から自由に選んで購入できる新サービスをスタートしました。サブスクサービスも引き続き展開していきます。
商品だけでなく、キュレーションを提供するような、文房具のプラットフォームとして「ZenPop」を運営したいと考えています。
「ZenPop」で海外進出 参加企業募集中
——日本の文房具を展開する事業者は、「ZenPop」に参加できますか?はい。「ZenPop」では、海外顧客向けに、文房具の単品販売を行いたい、日本の事業者を募集しています。当社が仕入れを行う形で、海外ユーザーに販売します。そのため、日本の事業者には、在庫リスクや、海外顧客集客のためのマーケティング費用、プラットフォーム利用料などがなく、自社文房具の海外展開をスタートできます。
「日本では普通の文房具」でも、海外ではあまりない商品ということで、「ZenPop」で人気になっているケースは多々あります。「ZenPop」での海外進出に興味のある日本の事業者さんは、「どんなアイテムが売れるか?」というご相談もかねて、まずはお気軽にお問い合わせいただければ嬉しいです。
——「ZenPop」ならではの強みは?ZenPopは、英語での発信力を強みに、日本の文具や文化を世界128カ国以上のお客様へ届けてきました。支払方法は5種類で、配送手段も多く、海外ユーザーがショッピングをする際の利便性の高さには定評があります。当社には、34の国・地域出身のメンバーが在籍しています。メンバーと連携しながら、各ターゲット層に応じた、細やかなマーケティングアプローチを行っています。
——他に力を入れていることはありますか?コンテンツマーケティングによる発信にも力を入れています。商品紹介や、アイテムを実際に使用した感想、アイテムの使い方などを紹介しています。文房具の魅力を最大限伝えられるよう、開発のこだわりや、機能性の高さ、事業者の特徴なども説明しています。 今後もサイトだけでなく、SNSや、ショートムービーなどを通して発信していきます。国内外のアーティストやインフルエンサーとのコラボも進行中です。
BtoB利用も
——「ZenPop」は、BtoBのニーズもあるんですね。もともと当社の越境ECプラットフォームは、仕入れなどのBtoB目的での利用が少なくありません。「ZenPop」も、海外で文房具ビジネスを展開したい海外事業者から、仕入れ先として活用いただくことがあります。そうした事業者向けに、文房具のキュレーションを行う支援サービスも提供しています。例えば、「子ども向け」というテーマでキュレーションの依頼を受け、当社で現地のトレンドなども加味したアイテムの選定を行いました。
今後もBtoBニーズの対応には力を入れて取り組んでいきます。
——「ZenPop」の単品販売での成功事例を教えてください。京都市内の六角通りで生まれ、箔押し技術を生かしたペーパーアイテムを展開する「ROKKAKU」ブランドが、海外ユーザーから大好評です。例えば、「ROKKAKU」のしおりには、箔押しによる凹凸や、繊細なテクスチャーの加工が施されています。熟練の職人が温度・圧力・プレス時間を繊細に調整して、手作業でひとつひとつ丁寧に仕上げている商品です。
こうした各文房具が持つストーリーは、訪日して、実店舗で陳列されたアイテムを見ているだけでは、なかなか分かりません。それぞれのアイテムの魅力やブランドストーリーなどをしっかり伝えられるのは、越境ECならではの強みだと思います。既に多くの日本事業者と協業しており、販売をスタートしています。海外のお客さまから、とても良い反響をいただきました。サイトは商品点数は今後も増え続ける予定です。
▲ROKKAKUのしおり「misuzu uta 大漁の栞」 童謡詩人・金子みすゞの詩にインスパイアされた一品 ——最後に、海外展開を考える日本の事業者にコメントをお願いします。海外進出には、思わぬところに商機が眠っているとも言えます。「ZenPop」は文房具に特化していますが、当社では、複数の越境EC事業を展開しています。
越境ECプラットフォーム「ZenPlus」には、数多くの日本事業者が出店・出品しています。国内向け自社ECサイトを有する日本事業者向けには、タグを1行埋め込むだけで、サイトを越境EC化できるサービス「ZenLink」も提供しています。海外ユーザーがサイトに訪問すると、海外専用バナーが表示される仕組みです。売り上げの10%のみ、販売手数料が発生します。月額利用料など固定費は不要です。海外ユーザーから購入されたら、当社の日本国内倉庫に配送するだけで、販売は終了します。決済や海外配送手続き、カスタマーサポートだけでなく、マーケティングまで当社が担当します。その他、海外プロモーション支援サービス「ZenPromo」など、海外進出を考える日本の事業者を支援しています。
長年積み重ねてきた越境EC展開の知見を生かし、今回新たに「ZenPop」の単品販売サービスをリリースしました。世界中のより多くの人々に、日本の素晴らしい文房具を届けていきたいと考えています。
■
「ZenPop」https://zenpop.jp/■「ZenPop」お問い合わせフォームhttps://zenpop.jp/contact-us