2020.08.26

オルビス、無人搬送ロボットを330台導入 通販向け物流の自動化を促進

オルビスは8月25日、通販向け出荷作業の主要拠点であるオルビス東日本流通センターの通販用出荷ラインの刷新に伴い新設した、集荷から方面別仕分けまでを独自に自動化した「T-Carry system」の本格稼働を開始した。ポーラ・オルビスグループのDECENCIA(ディセンシア)の通販商品の出荷作業を統合し、9月14日より「T-Carry system」からの出荷を開始する。ポーラ・オルビスグループの中でも、ECを主軸に展開するオルビスとDECENCIAの出荷作業を統合することで、近年ニーズが高まる物流のオートメーション化、スマート化のシナジー効果を発揮する狙い。


オルビス東日本流通センターに自動搬送ロボットを導入

オルビスが導入した「T-Carry system」は、新たに採用した小型AGV(自動搬送ロボット)を最大限に活用したという出荷システム。1オーダーに対して1台のAGVを割り当て、集荷から検査梱包までの一連の流れを遂行させる。また従来手作業だったという封函、方面別仕分けには、全9種類の配送箱サイズを自動判別でき、日本最速クラスのスピードを持つ自動封函機と、自動方面別仕分け機を導入した。


オルビスが導入した「T-Carry system」

計330台になるというAGVは、AI技術を活用した制御システムからの指示により、互いがぶつからず最適なルートで走行が可能。それぞれのAGVが集荷~検査・梱包作業場所までを最適なルートで走行し、循環する仕組みを実現できるとしている。物流業界では、近年AGVが棚を持ち上げ作業者に近づく「GTP(Goods To Person)」という考え方がトレンドになりつつあるが、オルビスではより自社に合ったシステムを構築すべく、優れた制御システムで自走できる小型AGVを採用。従来の「GTP」の概念を覆す、世界でも類を見ない独自の仕組みを構築したとしている。「T-Carry system」は、オルビスとパートナーである物流企業の流通サービス、マテリアルハンドリング企業の椿本チエインが協働し、検討を重ねたもの。またAGVは、制御技術に優れたZhejiang LiBiao Robot製のAGVをロボットサービスプロバイダーのプラスオートメーションより導入し、一部改良して採用したという。


愛嬌のあるデザインの小型AGV(自動搬送ロボット)

オルビスは、「T-Carry system」の導入により、旧出荷ラインに比べて出荷能力は1.3倍になるとしている。また人員は27%削減、コストは18%削減(1件当たり出荷作業費)、消費電力は40%削減(年間157,920KW相当)できるとの考えを示した。新型コロナウイルスの影響でEC市場の伸長が加速する中、物流施設のオペレーションは複雑化し、物流業界の労働力不足は深刻さを増している。オルビスでは、最新テクノロジーの積極活用によって物流システムの自動化、省人化を促進し、環境負荷と物流現場の負担を軽減するとともに、主力のECチャネルの物流基盤を持続可能な形で強化し、生産性及び顧客利便性の更なる向上と社会課題の解決に取り組んでいくとしている。

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