2020.02.20

アマゾンジャパン、楽天のお株奪う店鋪向けコンサル開始 人的サポート強化で成長加速

コンサルサービスの資料


費用は固定+歩合


月額16万円に加えて、前月の総売上高の0.3%(ともに税別)をサービス料金として徴収する。毎月の最大料金は100万円としており、アマゾンの売上金と自動的に相殺される。売上金が足りない場合は、登録しているクレジットカードに請求する。最低利用期間は6カ月間。サービスはパッケージとして提供するため、一部だけを選別して利用することはできない。

あるECのコンサルタントは、「上限金額を設けており、従量課金もさほど大きくない。アマゾンジャパンとしてもこのサービスで収益を拡大するというよりは、有償化することで生じた原資で人員を強化し、コンサル体制を拡充するのが目的だろう」と見ている。

アマゾンは確かに昨年から、このサービスを担うコンサルタントの採用を実施していたようだ。具体的な採用人数やコンサルの人員規模は分からないが、体制を強化していたのは間違いない。

有償化で利用機会拡大


これまでも無償サービスとしてコンサルを提供していた。ただ、人員が限られていたため、アマゾンジャパンから声を掛けられた有力な出店者や、成長の見込みがある出店者に限りサービスを提供していたようだ。

あるコンサルティング会社は、「無償のコンサルサービスと新たな有償サービスはおおむね同じ内容のようだ。ただ、担当者によってサービス内容にバラつきがあったのが、有償化されたことで、統一メニューでサービスを受けられる」と期待をのぞかせる。

楽天の強み消す戦略か


アマゾンに有償のコンサルサービスについて聞くと、「当社が公式にアナウンスしているわけではないので、お答えできない」(パブリック・リレーション本部)との回答が返ってきた。

サービス提供の狙いについては周辺取材から推測するしかない。あるコンサルタントは、「マーケットプレイスの出店者は増えているが、売れる出品方法を理解せずに、売り上げを伸ばせていない出店者も多い。アマゾンは売り方の自由度が少ないという店舗もあるが、機能や広告が充実してきており、出店者ができることも増えてきた。出店者の習熟度を上げるためにコンサルサービスを強化しているのではないか」と話す。

別のコンサルタントは、「楽天のECCは携帯電話事業の基地局建設に駆り出されたりして、強みであった人的サポートが弱っている。アマゾンは弱みでもあった人的サポートを強化することで、楽天などの競合に対して優位に立ちたいのではないか」と見ている。

楽天は「共通の送料込みライン」の導入で、アマゾンの後塵を拝していた配送サービスの巻き返しを図っている。ECモールの競争はさらに激しさを増しそうだ。


「amazon.co.jp」

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